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ココロの座標/河田俊男

第26回「妻が万引きをした」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。

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 書店やスーパー、コンビニで働く人たちにとって、万引き犯は身近な存在だ。子供から老人まで、万引きをする人はさまざまである。彼らはどうして万引きをするのだろうか。

 

 

 

万引きをする妻

 

 28歳の智也は、配送の仕事をしている。街道沿いのそば屋で昼休憩をとっていると、妻の友里から電話があった。電話に出るなり、友里は「万引きで捕まったの」と言った。智也の頭は真っ白になった。捕まったのは隣町のスーパーで、警察には突き出されず、誓約書を書いて帰されたという。

 

 智也は自宅に帰ると、友里の話を聞いた。友里は「実は、今までもコンビニとか、スーパーで万引きをしていたの」と言った。「どうしても万引きをしたくなる気持ちが抑えられなくて、悪いと分かっているのにやめられない」と号泣した。

 

 

 

将来への不安

 

 友里と智也は友人の紹介で出会い、半年で結婚を決めた。友里は専業主婦に憧れていて、結婚で夢がかなうと思っていた。ところが、いざ結婚してみると智也の収入だけでは生活できず、不安になった。共働きも考えたが、子供を生んで育てるとなると働き続けられるのか、不安だった。

 

 友里はすっかり気持ちが落ち込み、仕事まで辞めてしまった。そんなとき、コンビニで安い化粧品をつい万引きしてしまった。興奮で気持ちが高ぶり、生きている実感がした。これまで体験したことのない感覚だった。それから罪の意識を感じつつも、時々万引きをするようになった。

 

 

 

 

夫を殴る妻

 

 亜季は、夫を殴ってしまうことで悩んでいた。あるとき、夫のすることなすことが気に障り、殴ってみたらいい気分になった。夫は普通のサラリーマンで、不倫やギャンブルに狂うなどの問題行動があるわけではなかった。

 

 亜季は夫を殴りたくなる気持ちが分からず、「もしかしたら精神病にでもなったのではないか」と自分が怖かった。思いつく原因といえば、夫が父親よりも頼りない男性と思えたことくらいだった。

 

 亜季の父親は、中小企業の経営者で、マンションをいくつも建てるなど、着実に資産形成をしてきた男性だった。頼りがいのある男性であり、父親だった。子供のころから、そんな父親を見ていたので、自分の夫がとても頼りない男性に思えていた。

 

 

 

理想と現実

 

 友里や亜季には、それぞれ理想があった。専業主婦を夢見ていた友里は、友人たちがSNSで子供の様子を画像でアップしているのを見て、自分の生活とのギャップにうんざりしていた。

 

 一方、亜季は子供のころから不自由のない生活をしてきたが、結婚してからの暮らしぶりにうんざりしていた。小さなアパート住まいで、好きなように物を買えないことなどが夫の責任に思えた。それで暴力を振るってしまったのだ。彼女たちは夢と現実の間で、苦しんでいたようだ。

 

 

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●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。

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