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職場のメンタルヘルス/河田俊男

第1回「心が折れる」

プレッシャーに押しつぶされたり、ストレスが限界に達したとき、どう対処すればいいのでしょうか?

  誰もが一度は「心が折れた」経験があるかもしれない。プレッシャーに押しつぶされたり、職場の人間関係のストレスが我慢の限界に達したとき、「心が折れる」経験をしたかもしれない。そんなとき、どのように克服しただろうか。今回は、「心が折れる」ことについて考えてみよう。


心が折れる


  裕彦は「もう、心が折れました」と言った。福祉の仕事に転職したが、なんとなく想像していたとおりの展開になってしまったと語る。
  きっかけは夜勤だった。夜勤で利用者の排せつ介助をして回るのだが、介助が終わろうとするとき、また排せつが起こる。再び、介助のやり直しだ。そんなことが続くと、「心が折れて」くるという。

  裕彦は24歳。手に職をつけようと建築関係の仕事に就くが、合わないと感じ、福祉施設に転職した。
  しかし、福祉施設の仕事はきつく、その割に報酬が少ない。彼女とのデート代すらサラ金から借りている始末だ。経済的なことから、結婚など到底考えられない。重なる疲労と経済的な困窮ですっかり心が折れてしまったのだ。


生き方でも悩む


  裕彦は、今後のことでも悩んでいた。このまま福祉の仕事を続けるのか、それとも子供の頃から憧れていた古武術の師範になるのか、迷っていたのだ。古武術の師範を職業としていくのは並大抵のことではない。だからといって、今の仕事で「心が折れたまま」生きていくこともできない。これからの生き方でも葛藤し、悩んでいた。
  裕彦は完全に燃え尽き、「明日はもう出勤できない」、限界にきていた。うつ病の発症1分前になっていた。


<メンタルヘルス豆講座> 

  今回のテーマは、「心が折れる」ということである。
「心が折れる」ということの解釈には、さまざまな視点があるが、私はストレスに耐えていた心が、耐えられなくなった状態であると考える。その限界は人によって違う。すぐに限界がくる人もいれば、ストレス耐性能力が強く、限界がなかなかこないタイプの人もいる。

  裕彦は、蓄積疲労と仕事上のストレスに耐えていたが、報酬が少なく、デート代にも事欠く始末。最初から福祉の仕事を目指したわけでもないので、使命感などはなかった。そうした要因から、彼なりの限界に達したのだ。
  人の心には、ストレスに耐えられる防御壁がある。その防御壁が傷つき、ひびが入ると、あるとき一気に壁が崩壊する。完全に崩壊した壁を修復するには、長い時間がかかってしまうものである。


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河田俊男●1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。

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