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ビジネスパーソンが抱えるさまざまな課題について、解決やキャリアアップにつながるヒントを学びます。(2019年4月18日)
ビジネスは、意思決定の連続です。特にリーダー職に就いている人には、数多くその機会が訪れます。難しい決断を迫られたとき、リーダーはどんな基準で、どのような選択をすればよいのでしょうか。そのためには、何を学べばよいのでしょうか。
ハーバード大学やスタンフォード大学など、世界でも有数の名門大学のビジネススクール(経営大学院)で実際に行われた授業を紹介した書籍『世界最高のMBAの授業』(佐藤智恵著/東洋経済新報社)には、リーダーのあり方を考える上で参考になるさまざまな事例や、担当教授のアドバイスなどが掲載されています。
■世界最高MBAの授業(佐藤智恵著/東洋経済新報社)
同書で紹介されているのは、実際にビジネススクールに在籍していた日本人留学生が選んだ「最も印象に残った授業」です。例えば、ハーバードビジネススクールには「リーダーシップと企業の倫理」という授業があります。この授業では、経済・法律・倫理の3つを軸に、ビジネスリーダーの社会的責任について学ぶ内容となっています。授業で学生がディスカッションをするために、教材として使われるのは、実際にリーダーが「倫理的にグレーな決断」を迫られたリアルな事例です。
授業では、さまざまな事例が取り上げられています。例えば、2003年に勃発したイラク戦争で、現地で米軍部隊を率いていた隊長が、難しい決断を迫られたケース。爆弾がしかけられた家があり、そこに3人のイラク人が取り残されていました。イラク人を救うことは、隊員たちの命を危険にさらすことになります。このとき掲げられたディスカッションのテーマは、「自分がもしこの隊長だったらイラク人を救うか?」です。
ハーバードではこういうとき、事例と同じような経験をした学生に発言を求めたり、過去にそうした経験のある当事者をゲストに呼ぶそうです。このときは、アフガニスタンに駐屯した経験のある元米軍兵士が発言しました。
――本書から抜粋――
「僕は、自分の部隊の命を最優先する。僕は、アフガニスタンで友人を2人亡くした。戦場では、正しい倫理観よりも、一緒に戦っている仲間との信頼関係のほうがはるかに大切だ」
リスクをさらして、戦場で戦った元軍人の言葉は何よりも説得力があった。
結果的に隊長は、自分ひとりでイラク人を助けに行くことを決め、その決断に同意した部下数人が追随しました。救出は成功しましたが、この決断に米軍内は賛否両論だったそうです。
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