■相談
リモートワークに対する管理職の心構えやコミュニケーションの取り方、育成の方法など、この相談室でも非常に参考になる回答があり、本当に助かっています。今回もまたリモートワークの相談で恐縮なのですが、よろしくお願いいたします。
上司に対するノウハウは一般的にも多く語られているのですが、部下のほうが気をつけるべきことについては、あまり見聞きしません。部下にもしっかりとリモートワーク時の心構えについて知っておいてほしいので、ぜひ教えていただければと思います。
■回答==========
最近は、どの管理職の方もリモートワークについての悩みが多いのか、この「マネジメント悩み相談室」への相談もリモートワーク関連の内容が増えてきています。
相談者の方が指摘しているように、世の中で語られているものは、上司に対してのマネジメントノウハウの類いが多く、部下向けに気をつけるポイントなどについては、それほど多くない気もします。
今回はリモートワークで部下が意識すべきことについてお伝えしたいと思います。
・ルーティンによってリズムをつける
オンとオフの切り替えが難しくなるので、意識的にルーティンを作って日常にリズムをつけることが重要。出社するつもりで、洗顔・コーヒー・シャワー・体操・着替えなどを行うとスイッチが入りやすい。
着替えは意外に影響が大きくて、パジャマのようなルームウェアのままで仕事に入ると、体が脳にオンになったことを知らせないので、頭が活性化しないと言われます。スーツなどを着る必要はありませんが、オンとオフでちゃんと違う服装を心掛けましょう。
・基本的にはビデオはオンの状態に
人間は人の目や表情を見ながら話をすることに慣れているし、目からの情報は意外にコミュニケーションに大きな影響を与えます。自分の部屋を人に見せたくないという人もいるでしょうから、そういう場合は、リモート機能によくある仮想空間の背景を使うなどの工夫をしておくと便利です。
家族と一緒の方は、生活音が気になるという方もいますが、音声は会話には不可欠なので、近距離の集音性が高いマイクを使うなどの配慮をしていただければと思います(とはいえ、何かしら事情が許さない場合は、上司に正直に相談することです)。
・仕事スペースを確保する
ベッドやソファの上はリラックスできる反面、気の緩みにつながります。着替えと同様に脳がオンの状態になりづらいからです。無理な体勢で腰を痛めたり、視力が悪化したり…と、体にとっていいことはひとつもありません。
パソコンはやはり机の上に置いて仕事をする道具だと思ってください。部屋の隅でもいいので、仕事専用のデスクエリアを確保したいものです。最近は大型の家具店舗には小さなデスクなどリモートワーク用のコーナーを設けたりしていますので、一度のぞいてみるといいでしょう。
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「日々のスケジュール表を作る」「報連相は先回りして手短に、結論から話す」・・・など、8つのポイントとは?
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●文/田中和彦(たなか かずひこ)
株式会社プラネットファイブ代表取締役、人材コンサルタント/コンテンツプロデューサー。1958年、大分県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、人材サービス関連企業に入社し、情報誌の編集長を歴任。その後、映画配給会社のプロデューサー、出版社代表取締役を経て、現在は、「企業の人材採用・教育研修・組織活性」などをテーマに、“今までに2万人以上の面接を行ってきた”人材コンサルタント兼コンテンツプロデューサーとして活躍中。新入社員研修、キャリアデザイン研修、管理職研修などの講師や講演は、年間100回以上。著書に、『課長の時間術』『課長の会話術』(日本実業出版社)、『あたりまえだけどなかなかできない42歳からのルール』(明日香出版社)、『時間に追われない39歳からの仕事術』(PHP文庫)、『仕事で眠れぬ夜に勇気をくれた言葉』(WAVE出版)など多数。