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外国人スタッフの定着と戦力化を図る/淺海一郎

第10回「給与明細の見方を説明できますか?」

採用した外国人スタッフに定着して、戦力として活躍してもらうために、企業が準備すべきことや、考えておかなければならないことなどを解説します。(2021年1月7日)

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 前稿に続き、主に外国人スタッフ採用後のトラブルを未然に防ぎ、働きやすい環境や良好な人間関係を整えるための有効な手段の1つとして、自社のルールや給与制度、就業規則などを外国人スタッフに伝える際のコツについて述べます。

 

 

給与明細というフシギな紙

 

 残念なことに、働き始めたばかりの外国人スタッフの大半は、「働き方」に関する日本の法律や常識について、ほとんど知りません。技能実習の送り出し機関や監理団体によっては、そういったことをある程度伝えているところもありますが、機関によって内容や対応の差が激しい状況です。また、日本国内の大学に留学して就職をした人たちも、そういった教育は、ほぼ受けていません。ですから、企業で働く中で外国人スタッフはいろいろな疑問を抱くことになります。

 

 まず疑問に感じることの1つが、突然渡される給与明細でしょう。そもそも源泉徴収や控除という制度がよく分からない状態で、このフシギな紙を渡された上、そこで初めて自分の給与から保険や税金が天引きされていることを知る外国人スタッフもいます。

 

 ある外国人スタッフが「誰が、何のために、自分の給与を減らしているのか」を疑問に思い、人事部門の日本人社員に質問したときのことです。人事部門の社員から一通り難しい言葉で説明された後、最後に「ルールだからね」と言われたそうです。その外国人は「何を言っているのか、まったく分からなかった」と言います。

 

 

 

 

「ルールだから」は禁句

 

 前稿で述べたとおり、「働き方」に関する法律や常識は、国によってかなり異なります。一方で、多くの日本企業は自社の就業規則を労務管理の基本ルールに据えており、これ自体を簡単に変えることはできません。そこで重要となるのが、こういった社内ルールを「外国人スタッフにどう伝えるか」ということになります。

 

 しかし、中小企業で働く人事スタッフの多くは、働き方改革や同一労働同一賃金などのさまざまな新しい対応に追われているのが現状ではないでしょうか。結果として、法律やルールを難しい用語でだらだらと説明したり、「ルールだから」の一言で終えてしまいがちです。しかし、外国人スタッフが知りたいのは「ルールだから」という一言ではありません。彼らが知りたいのは、第一にそのルールの具体的な中身、そしてそのルールの理由や目的です。

 

 

伝える内容の優先順位と時期を整理する

 

 まず企業のみなさまに取り組んでいただきたいのが、企業から外国人スタッフに「何を優先して、いつ伝えるか」を決めることです。例えば就業規則の中で、特に給与や休みに関する部分、服務規定にあたる部分の優先順位は高いと思われます。ただし優先順位を整理した後、それらをまとめて(例えば1日で)伝えようとしないでください。説明する側にも、それを聞く側にも大きな負担となります。まずこの内容はこの時期に伝える、次にこの内容はこの時期に伝えるという形で、区切っていくことが重要です。

 

 例えば、前述の給与明細であれば、初めてそれを受け取るときがいいでしょう。細かく区切って伝えることで、説明する日本人側とそれを聞く外国人側、双方の負担を減らすことができます。また、自社のルールの中で何を優先的に伝えるとその後のトラブルが減るのか、徐々に企業側に知見が蓄えられることにもなります。なぜなら、伝える内容と時期を細かく区切っている分、その後の効果が測定しやすいからです。

 

 

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●文/淺海一郎(あさみ いちろう)
外国人雇用企業の支援を専門に行うコンサルティング会社、内定ブリッジ株式会社代表。厚労省「雇用管理に役立つ多言語用語集及び翻訳データの作成・普及事業」有識者研究会委員。東京都「中小企業における外国人材活用に関する検討会」委員。日本貿易振興機構(JETRO)高度外国人材スペシャリスト。全国の外国人雇用企業に対し、受入体制の整備や異文化コミュニケーションに関する研修やワークショップなどを提供(約1,000社/年)。

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