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知識ゼロからのDX入門/渋屋隆一

第11回「業務プロセスの改善手法」

近年、注目されているデジタルトランスフォーメーション(DX)について、言葉の定義から企業としての取り組み方まで、わかりやすく解説します。(2022年2月15日)

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 デジタルトランスフォーメーション(DX)する上で、避けて通れないのが業務プロセス改善の視点です。前回は業務プロセスの基本と特徴、そして業務プロセスを棚卸しする方法をご紹介しました。

 

 

その業務の価値は何か?

 

 簡単に振り返りますと、業務プロセスを棚卸しすることによって、このような一覧表が出来上がります。

 

 

 

 

 この一覧表をつくった後に、各業務の「価値」について検討します。例えば一覧表にヒアリングという業務があります。ヒアリングと言っても顧客に提供する価値は、企業・ブランドによって全く異なります。例えば、以下のようなものです。

 

・プロフェッショナルとして的確に素早くヒアリングを行う
顧客は専門家の高いスキルを感じることで、相手を信頼することができます。

 

・顧客の話し相手になり、お話をじっくり聞く(自社商品とは関係ないことを含めて)
顧客は何でもしっかり聞いてくれる相手に安心して、悩みを打ち明けることができます。

 

 このように同じヒアリングでも、顧客が感じる価値が全く異なります。前者は法人向けの専門性の高いサービス、後者は保険など個人向けの高額サービスに多いです。

 

 

 

 

 顧客に限らず、あらゆる業務にはステークホルダーがいます(前回の業務プロセスの基本を参照)。具体的には(1)社員、(2)取引先・債権者、(3)株主、(4)顧客、(5)地域(住民・地方自治体など)、(6)社会(地球・環境など)、(7)国(政府・国際機関など)、(8)経営者などです。

 

 これらステークホルダーに対して「どのような価値を生み出し、提供しているのか」を確認します。業務1つ1つではなく、複数の業務を合わせた単位(上記の例では「提案」が該当)で「一貫性のある価値か」も、併せて確認しましょう。

 

 なぜこのような話をするかというと、DXとはデジタルを活用して価値を生み出すこと(価値創造)に他ならないからです。その対象は顧客に限ったことではなく、上述したように多様なステークホルダーになります。

 

 

>>>次ページにつづく

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につづく

 


●文/渋屋隆一(しぶや りゅういち)
中小企業診断士、情報処理技術者。大学卒業後、IT企業にてエンジニア・商品企画を担当。2015年独立。ITとデータを活用した「売れ続ける仕組みづくり」「業務改善」「働き方改革」を得意としている。コンサルティングや研修・セミナーを通じて、中小企業の経営支援を行う。著書に『コレ1枚でわかる最新ITトレンド』(技術評論社)、『社長はデータをこう活かせ!』(日本実業出版社)など。
Webサイト: https://100athlon.com

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