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怒りを笑いに変える!クレーム対応/谷厚志

第2回「限定付き謝罪で落ち着いていただく」

カスタマーハラスメントに悩まされる企業が増えています。元タレントの異色コンサルタントが、独自のクレーム対応を解説します。(2024年5月14日)

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 クレーム対応がうまくできない組織の共通点として、初期対応に失敗していることが大きな原因の1つにあげられます。最初の対応がうまくいかなかったことで、お客様の怒りをさらに増大させてしまい、カスタマーハラスメントという迷惑行為に発展させてしまうケースも少なくありません。

 初期対応に失敗することなく、相手の怒りを笑いに変えていくためには、どうすればいいのでしょうか。クレーム対応は相手が個人客であろうが、法人客であろうが、やり方は同じです。まず、最初に「お詫び」をすることでエスカレートしたり、炎上したりすることはさけられます。メール対応でも、最初に謝罪の言葉を記載することが必須です。





最初にやるべきことは「限定付き謝罪」

 
以前は、企業によってはクレームに対して謝罪をしてしまうと賠償金を支払わなければいけないと考え、「謝ってはいけない」と指導しているところが多くありました。しかし、クレーム対応も時代に合わせてアップデートしていかなければいけません。今の時代、クレーム対応は先手必勝のごとく、“謝罪からスタート“することが重要です。ただ、それには1つだけ条件があります。謝罪をすると言っても「限定付き」にすることです。

 最初からひどい剣幕でクレームをあげてくるお客様に対し、そのクレームにどんな背景があったのか、よく分かっていない段階で「申し訳ございません」「私共にミスがありました」と全面的に謝罪をしてしまうことは控えるようにしてください。
 クレーム対応の最初にやるべきことは、「限定付き謝罪」です。具体的には、「何に対してお詫びをするのか?」ということを明確にし、それについてお詫びをすることです。

 例えば、お客様から「あなたの対応は不親切だ」というクレームがあった場合、「私の仕事ぶりにご満足いただけなかった点があったようで、申し訳ございません」という対応になります。クレーム対応の入り口は、相手に寄り添って「ご満足いただけなかった」「ご期待に沿えなかった」「嫌な気分にさせてしまった」という気持ちで、まずはお詫びをすることで冷静になっていただいたり、落ち着いていただくことが重要です。
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“怒りを笑いに変える”クレーム・コンサルタント。一般社団法人日本クレーム対応協会の代表理事。
学生時代より関西を拠点にタレントとして活動。芸能界を引退後、会社員としてコールセンターやお客さま相談室のクレーム対応責任者を歴任。2,000件以上のクレーム対応に接し、クレーム客をファンに変える独自の対話術を確立する。2011年、クレーム対応のコンサルティング会社を立ち上げて独立。圧倒的な経験知と人を元気にするトークが口コミで広がり、年間200本以上の講演・研修に登壇する。著書に『損する言い方 得する言い方』(日本実業出版社)、『失敗しない! クレーム対応100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)、『ピンチをチャンスに変えるクレーム対応術』(近代セールス社)など。フジテレビ「ホンマでっか?TV」、日本テレビ「ZIP!」など、メディア出演多数。
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