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怒りを笑いに変える!クレーム対応/谷厚志

第5回「大声を出す人への対処法」

カスタマーハラスメントに悩まされる企業が増えています。元タレントの異色コンサルタントが、独自のクレーム対応を解説します。(2024年8月1日)

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 昨今、メディアではカスタマーハラスメント(以下カスハラ)という顧客からの迷惑行為が注目されています。SNSやネットのコメント欄を見ていても、いかにカスハラに困っている人が多いのかは、よく理解できます。しかし、クレームとカスハラの違いを認識していない人が多いことも、気になっています





クレームとカスハラの違い

 そもそもですが、クレームは正当なもので、企業側・サービス提供側に非があることが多いです。これにはお客様の気持ちに寄り添う謝罪をして「何ができるのか?」を考え、最善のリカバリー策を提示していかないといけません。

 一方、カスハラは理不尽な要求や威圧的な言動などの悪質なものなので、“拒絶”する姿勢を示さないといけません。私が定義するカスハラ客を見極める基準の1つに「ルールを守らないお客は、カスハラ客だと判断して受け入れないこと」があります。ルールを守ってくださる、自分達が大切にしたいと思うお客様とだけ付き合う、と解釈をしていただいてもよいと思います。

 どう考えても、悪意や理不尽と感じるクレームはあります。こういうクレームの場合、私も経験がありますが、全身のエネルギーを吸い取られたような徒労感しか残りません。そうしたものはカスハラと定義し、企業側・サービス提供側は「どこまで対応するのか?」を決め、毅然とした態度をとることが大切です。

 今の時代は顧客第一主義で言いなりになるのではなく、迷惑な客には主導権を握って対応を打ち切り、要求をお断りするというルールをつくり、社内に浸透させていくことが重要であることを認識してください。


大声を出す人がいたら

 カスハラの対処法でよく相談があるのが、「大声を出す人には、どう対応すればよいのか?」です。クレーム・カスハラは初期対応が重要ですが、それ以前に大声を出されて怖くなって言葉が出てこない場合があると思います。誰であっても、大声には少なからず恐怖心を持つと思います。

 このケースの一番の方法として、「今のお客様のお言葉で怖くなりました」と、伝えてみてください。クレーム対応は恐怖心を持ったまま、頭が真っ白になってまでやる必要はありません。これはテクニックでも何でもなく、相手に「怖いです」と伝える緊急回避策です。「今のお言葉で怖くなってしまい、何と申し上げてよいのか分かりません。上席の者と対応を代わらせてください」と言って、その場を離れることや、電話を保留にして、自分のメンタルを守るようにしてください。

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【オンライン】カスタマーハラスメント対策研修〜組織対策で従業員を守る〜
近年、カスタマーハラスメントが社会問題となっています。企業には、自社の従業員を守る姿勢が求められるようになってきています。従業員をカスハラから守るためには、組織としてカスハラの基準を定めて毅然と取り組んでいく必要があります。カスハラの定義やクレームとの見極め方、具体的な制度の構築などを解説します。
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●文/谷厚志(たに あつし)
“怒りを笑いに変える”クレーム・コンサルタント。一般社団法人日本クレーム対応協会の代表理事。
学生時代より関西を拠点にタレントとして活動。芸能界を引退後、会社員としてコールセンターやお客さま相談室のクレーム対応責任者を歴任。2,000件以上のクレーム対応に接し、クレーム客をファンに変える独自の対話術を確立する。2011年、クレーム対応のコンサルティング会社を立ち上げて独立。圧倒的な経験知と人を元気にするトークが口コミで広がり、年間200本以上の講演・研修に登壇する。著書に『損する言い方 得する言い方』(日本実業出版社)、『失敗しない! クレーム対応100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)、『ピンチをチャンスに変えるクレーム対応術』(近代セールス社)など。フジテレビ「ホンマでっか?TV」、日本テレビ「ZIP!」など、メディア出演多数。
https://www.taniatsushi.com/
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