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デキル人が辞めない15分マネジメント術/岡本文宏

第6回 イマドキの部下の「褒め方」「叱り方」

マネジメントに時間を取れないプレイングマネジャーに向けて、15分で完結できるマネジメント手法をお伝えします。(2024年9月10日)

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 「褒める」「叱る」はスタッフマネジメントを行う上でとても重要な要素です。ただ、どちらも「得意である」と胸を張って言える人は少数派。私が登壇する経営者、リーダーを対象にしたセミナーの参加者アンケートでは、不得意と答えた人は9割を超えています。とくにZ世代やゆとり世代は、家庭や学校で褒められるのが当たり前の環境で過ごしてきている人が多くいます。そうなると職場でも、褒められることを期待し、褒められないことに不満を抱く人もでてきます。





 だからといって、むやみに褒めることは避けるべきです。褒めるときは会社としてスタッフに望む『行動』と『成果』を明確にし、それを満たしたときのみ褒めましょう。例えば、取り組んでいるプロジェクトの目標数値をクリアした場合などがそれにあたります。その際、褒める対象を明確に伝えることも大切です。

 飲食店で「笑顔で接客する」ことを目標に掲げていたとして、素敵な笑顔で顧客に接しているスタッフへは、「今のお客様へ対応した際の笑顔は素晴らしかった!」と褒めるのです。そうすれば、何をすればよいのかが理解できるので、次からも同じように笑顔で接客するようになります。


労いの言葉と挨拶

 
しかしながら、頑張っているけれど褒めることができないスタッフも中にはいます。そういうときは、褒めるよりも手軽に行える「承認」を行います。承認とは、相手の存在自体を認めることです。任せた仕事にしっかり取り組んでいることに対して「頑張っているね!」と伝えること(労い)や、朝一番に顔を合わせたときに「おはよう」と笑顔で明るく伝えること(挨拶)も「承認」です。

 一生懸命に仕事に取り組んでいるけれど、なかなか業績が上がらないときに、経営者、マネージャーから、「努力しているね!」と声を掛けられると「承認された」と感じられます。これくらいであれば数秒でできますよね。

 私のクライアント企業では、労いの言葉をメッセージカードに記入して、スタッフに手渡している企業があります。文字数は100〜200文字程度でよいので、15分もあれば記入できるので試してみてください。
 『承認欲求』は人間の根源的な欲求です。承認欲求が満たされれば、自己肯定感が高まり、自信が持てるので仕事をすることへのモチベーションがおのずと高まります。
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●文/岡本文宏(おかもと ふみひろ)
メンタルチャージISC研究所株式会社代表取締役、繁盛企業育成コーチ
アパレル店勤務、セブンイレブンFC店経営を経て、2005年メンタルチャージISC研究所を設立。中小企業経営者、エリアチェーンオーナー、店長などに向けた小さな組織の人に関する問題解決メソッドや、スタッフを活用して業績アップを実現する『繁盛店づくり』のノウハウを提供している。『仕事のできる人を「辞めさせない」15分マネジメント術』(WAVE出版)、『人材マネジメント一問一答』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『店長の一流、二流、三流』(明日香出版)、『繁盛店のやる気の育て方』(女性モード社)など著書多数。
https://okamotofumihiro.com/
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