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職場のメンタルヘルス/河田俊男

第18回「ブラック従業員」

ブラック企業が社会問題化していますが、その一方で、悪質ないたずらをする従業員の問題も多発しています。

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 光の当たるところがあれば、影もある。業績を上げている企業の影で多くの企業や人が犠牲になっている場合がある。その影にはブラック企業・ブラック従業員の存在がある。



鶏が先か、卵が先か

 従業員に過重労働をさせたり、パワーハラスメントが横行したり、残業代が支払われなかったり、職場いじめでうつ病になったり、入社しても体を壊して辞めてしまうような企業をブラック企業というようだ。
 人を人とも思わない、人間を物や機械のように扱い、いらなくなったらポイと捨てるような企業のことだ。ブラック企業に勤務して、うつ病になって自殺する被害者がいる。政府もようやく重い腰を上げて対策に乗り出すようだ。

 その一方で、会社の物を盗んだり、職場いじめを先導する、職場の同僚をうつ病に追い込む、仕事を平気でさぼる、また悪質ないたずらをして画像をアップするなどのブラック従業員がいる。

 果たして、ブラック企業だからブラック従業員がいるのか、ブラック従業員がいるからブラック企業になってしまうのか。まさしく鶏が先か、卵が先か。いずれにしても、人も企業も不幸な結末になる。早いうちに対策を打つ必要がある。



アルバイトの裏の顔

 その店では、期限の切れた食品は廃棄処分にするのだが、食費を浮かせたいアルバイトがそっと持ち帰ったりしていた。やがて、店にある見本や粗品をアルバイトが勝手に持ち帰ったりした。どうも先輩アルバイトたちが、自分たちの特権だと思い、やっていたようだった。その行為は、少しずつエスカレートした。次第にクオカードなどの換金性のあるものも持ち帰るようになっていったのだ。

 店長は、ある日、入ったばかりのアルバイトからこの衝撃的な話を聞いた。「おそらく、いろんなものが持ち去られたに違いない」と店長は確信した。

 しかし、彼らの日頃の仕事ぶりは元気いっぱいで、よく働いていた。チームワークもバツグンによかった。アルバイトたちは、店を仕切っているという意識が強く、実際に店は彼らで成り立っていた。勤務シフトもアルバイト同士で決めていたのだ。
店長は、その問題について、どう注意したらいいか、どう叱責したらいいか、悩んでいた。

 その問題については、はっきりした証拠もなかったからだ。もし叱責に失敗したら、全員が辞めてしまう可能性があった。そうなれば店はやっていけなくなる。新しい人材を採用しても、店長だけで店は回らない。



うつ病になった店長

 自分の店で、もし内引き者を出せば経営者や本部に知られ、場合によっては警察沙汰になってしまう。店長は、それはどうしても避けたく、信用を失うようなことはできなかった。

 そんなことで悩んでいるうちに、突然、何もかもやる気がしない気分に襲われるようになり、ときどき仕事を休むようになってしまった。休んでいると、頭の中でさまざまな心配や妄想が広がった。「アルバイトたちが今度は現金をごまかすのではないか」「もし、そうなったらどうしよう」などと心配な妄想が膨らんでいった。

 そこでアルバイトを監視するために、店に泊まるようになった。ところが、過労も重なり、とうとう仕事が手につかなくなってしまったのだ。店長は、完全にうつ病になってしまった。
こうした話はよく聞く。あるドラッグストアでも、同じように顧客に渡すはずの見本品を勝手に持ち出していた。アルバイト店員は自分ももらっていいものと思い込んでいた、というあきれた話だった。

 また、ある居酒屋では、試飲の酒をだまって持ち帰ったり、酒の中身を変えて持ち帰る店員がいた。あまりにも酒好きな店員に店長は困りはてた。顧客をたくさん持っていた従業員だったが、結局は解雇した。


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●河田俊男
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
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