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職場のメンタルヘルス/河田俊男

第29回「かみつく女」

職場のメンタルヘルスに関する事例・対策などについて、専門家が解説します。

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 サッカー選手が試合中に突然相手チームの選手にかみついて話題になった。人間は犬ではないのだから、かみつくなど信じられない。よほど興奮していたに違いない。しかし、もし職場で同僚に突然かみつかれたら、どうなるだろうか。



いきなりかみつく

 奈美は26歳。結婚して2年目。自宅近くのファミレスでパートをしている。普段はおっとりした女性で、品のいい感じだ。仕事も真面目で遅刻や欠勤もなく、仕事覚えもよく、同僚や上司との関係も特に問題はなかった。彼女の少し子供っぽいような話し方が、お客さまにも気に入られていて、評判がよかった。

 ある日、彼女はささいなことから手先や足が震え、突然暴れ出した。あたりの物を投げたりして暴れたのだ。職場の同僚たちはぼうぜんとした。別の日には、とても親しく姉妹のように仲のいい同僚の腕にかみついた。かみつかれた同僚は気分が悪くなって、彼女とは一緒に働けないと訴えた。そこで、店長から人事部に相談がきた。

 人事担当者によると、採用時の面接でも、特に変わった様子はなかった。よく聞いてみると、興奮したのは今回が初めてではないことが分かった。
 新婚当初は、仕事にも慣れていなかった。自宅では食事の支度もできない状態だった。そんな折、夫が帰宅すると彼女はいきなり興奮してわめきちらし、あたりの物を投げつけ、興奮して抑えのきかない状態になったのだ。そのときは近所の精神科に行き、薬をもらった。その後しばらく落ち着いていたが、最近また再発したのだった。



きっかけが分からない

 彼女は、「成人してから徐々に子供じみてきた」と言う。結婚してから夫に対して子供のように甘えはじめた。夫をパパと呼び、自分の新しい父親のように慕うのだった。すると容姿も若々しくなり、年齢よりもはるかに若く見えた。
 日頃、夫がかまってくれて、癒やしてくれれば、とても気分がいい。楽しい話を聞くのは大好きだ。しかし、自分が人を楽しませようとすると気分が落ち込み、面倒くさくなった。

 子供のころ、母親の決まり文句は、「いい子でいてね」だった。おとなしく親の言うことを何でも聞くいい子だった。彼女は、今の自分の状態は子供のころの「反動なのでしょうか」とも言う。
 本人は、「いつ暴れたくなるか、いつどんな人にかみつきたくなるのか分からない」と言う。特にきっかけはないと言うのだ。何かちょっとしたきっかけで体が震え、暴れたくなる衝動が抑えられなくなるのだった。



なぜ、興奮したのか

 興奮する理由はないかもしれない。たまたま、そのときに興奮してしまった。それだけのことかもしれない。あまり、原因について考えすぎても、それが正解とは限らない。

 彼女のような、ささいなことから、手先や足が震え出し、突然物を投げたり、暴れ出したりする状態は、ヒステリーの症状の可能性が高い。ヒステリーは、なんらかの刺激に不快感情が反応し、震えたり、けいれんするなどの身体的な反応が出る。



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●河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。

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