株式会社関西アーバン銀行/先輩行員がアドバイス! 復職をスムーズにする4つのセミナー
関西アーバン銀行は、子供を産み育てながら働く行員を、4つのセミナーで支援。母集団を形成し、先輩行員の知見を後輩に伝えている。(取材・文/水崎真智子)
4つのセミナーでサポート
関西アーバン銀行の従業員の約半数は女性。正社員の3割強を女性が占める。産前産後休暇、1年半の育児休暇(最長2年)、育児休暇の一部有給化、子供が小学生になるまでの短時間勤務制度などを整え、子供を産み育てながら働く女性をサポートしてきた。
人事部の森本勇さんは「在職行員の育児休暇取得者数はのべ120人。両立支援制度を整備し、利用を促進するなど定着化を図ってきましたが、もっと制度面を周知し、行員同士の交流の場を提供する必要があると感じていました。そこでセミナーという顔を合わせる機会を新たに作ることで、より詳しい情報の提供が可能となり、不安解消にもつながるのではないか、また、休暇中であっても行員としての自覚を高めるきっかけになるのではないかと考え、セミナーによる支援を2年前にスタートしました」と語る。
具体的には、まず産前産後休暇の取得を控えた「プレママセミナー」、そして育児休暇中の行員を対象とした「育サポセミナー」の2つを実施したという。
関西アーバン銀行のイメージキャラクター「カンサイ」を手にする人事部の森本勇さん
保育所探しをアドバイス
「プレママセミナー」とは名前のとおり、産前産後休暇の取得を控えた行員を対象としたもので、2012年12月に実施した第1回には約20人が参加した。人事部からは制度の概要を説明し、先輩ママ行員には体験に基づくアドバイスをお願いした。 先輩ママ行員が語ったのは保活の重要性だった。保活とは、保育所探しをする保護者の活動を指す。このような言葉が生まれるほどに、待機児童が多く保育所に入所しにくく、情報収集から見学、申請など、保護者が苦慮することは多いという。
参加者のアンケートからは「非常に助かった。これまで無事に出産することしか頭に無くて、保育所のことなど全く考えていなかった。参考になる話が聞けてよかった」「今回配付されたような資料を欲しいと思っていたので、ガイドブックをもらえてよかった」といった声が聞かれ、参加者の満足度は高かった。以降、半年ごとに開催し、既に4回実施したという。 「育サポセミナー」は、第1回を2013年3月に実施。育児休暇中の行員約20人が参加した。人事部からの話に加え、健康保険組合の保健師と歯科衛生士による相談会を行った。参加者アンケートからは「育児経験の豊富な人の話を聞けて良かった。日々感謝を心がけ、職場も家族も大切にしたい」「面談で不安に感じていることも聞いてもらいとても安心した」と好評であったが、森本さんには発見があった。
セミナーでは人事部からの話の時間も用意していたが、乳児と一緒の場では話の筋を追いながら理解してもらうことは難しいと実感した。そこで2回目以降は行員同士の交流と育児相談をメインとした和やかな雰囲気のセミナーにシフトした。そして別の機会として、復職直前に緊張感みなぎる講義形式のセミナーを新たに加えることとした。
ベビーシッター付きのセミナーを用意
それが「育児休暇復職支援セミナー」だ。ベビーシッターを手配し、預け先の心配なく参加できるよう整えた。保育所の入所が4月に多いことから復職も4月が多い。そこで2014年3月に第1回を開催した。
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●株式会社関西アーバン銀行所在地/大阪府大阪市中央区西心斎橋1-2-4創立/1922年7月資本金/470億円従業員数/2,567人(2014年3月31日現在)事業内容/銀行業(預金業務、貸出業務、内国為替業務、外国為替業務、有価証券業務など)ホームページ/ https://www.kansaiurban.co.jp
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