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パートタイマー白書や学生を対象にした就職活動に関する意識調査など、当研究所が独自で行っている調査から見えてくることを考察します。
人と仕事研究所では、アイデムの発行している新聞折り込み広告「しごと情報アイデム」の紙面から、募集時の賃金データを収集しています。収集した結果から、パート・アルバイトの時給データを抽出・集計し、毎月「パートタイマーの募集時平均時給」として公表したり、年1回冊子に製本して、お客様にお役立ち資料として活用していただいております。
また、人と仕事研究所のWEBサイト内の「平均時給検索システム」も、紙面から収集した情報を元にしています。今回のオリジナル調査では、「パートタイマーの募集時平均時給」の結果表を元に、それぞれの項目の意味やそこから読み取れることをご紹介いたします。
上の表は「パートタイマーの募集時平均時給」に掲載している集計の1つです。職種を大まかに分類した「職種大分類」の集計結果と前年同月の平均時給との比較をまとめています。
●25%ile、50%ile、75%ile :データを小さい順に並べたときに、小さいほうから1/4のところにあるデータを25%ile(第1四分位数)、1/2のところにあるデータを50%ile(第2四分位数、中央値)、3/4のところにあるデータを75%ile(第3四分位数)といい、まとめて四分位数(四分位値)といいます。
“%ile”は「パーセンタイル」と読みます。集団に含まれるデータの分布を把握するときに役立ちます。
●最頻値:集団の中で、最も度数(頻度)の多い値を示す言葉です。
●平均値:集団に含まれる全てのデータを足して、それをデータの個数で割った値です。代表の値としてよく使われています。
●増減額(円)、増減率(%):当年当月(上記表でいえば平成27年11月)の平均値が、前年同月(上記表でいえば平成26年11月)の平均値と比べてどれだけ変化したかを表しています。
参考になるのは平均値?
「内定を保有している学生1人あたりの内定獲得者数は平均で2.5社」「平成27年平均有効求人倍率は1.20倍」など、調査や集計の結果で使う代表の値として、平均値(相加平均)があります。
「パートタイマーの募集時平均時給」でも、平均値を使っています。平均値は「全てのデータを足して、それをデータの個数で割る」ことで求められるため、容易に算出することができ、かつこの容易さから相手に伝えやすいという特徴があります。
その一方で、平均値は「外れ値」の影響を受けやすいという特徴があります。外れ値とは、その集団の中で極端に値が高かったり、逆に低かったりするデータを指します。
外れ値の含まれる集団の平均値からは、実情を把握しきれないことがありますので、注意が必要です。
特に賃金に関する情報では、平均値だけでなく、最頻値や四分位数にも目を向けていただくと、実際の募集がよりイメージしやすくなります。
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●文/関 夏海(せき なつみ)
2014年、株式会社アイデム入社。同年8月、人と仕事研究所に配属。賃金に関する統計・分析を担当。人と仕事研究所WEBサイトで発信している労働関連ニュースの原稿作成なども行っている。
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