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これからの人材活用(2012年4月〜2013年3月)

第6回 事例研究/契約社員「全員」を正社員化〜3年後の成否(広島電鉄)

非正規社員の増加が、社会問題化しています。これに対応し、2012年8月10日に公布された労働契約法の改正法では、「有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合、労働者の申し込みにより、無期労働契約に転換させる」ことが、企業に義務づけられました(施行日は、公布から1年以内の政令で定める日)。
多くの企業が恐々とする「正社員化」。これを2009年、リーマン・ショックのちょうど1年後に「全・契約社員に対して」行った企業があります。「なぜ、そんなことを?」「その結果は・・・?」について、聞きました(取材・文・写真/アイデム人と仕事研究所 所長 平田未緒)。

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 非正規社員が、増えています。最新の統計では1733万人となり、働く人の35.2%まで上昇(2011年総務省「労働力調査(詳細集計)/被災3県を除く」)、社会問題化しています。

 でも、なぜ、「非正規社員」は、問題視されるのでしょう? 

  理由は、パート・アルバイト、人材派遣、業務請負など非正規社員の多くが、期間を定めた雇用契約であり、「更新されなければ職を失う」不安定さと隣り合わせにあるからです。同時に、その大多数が正社員より低い処遇、かつ昇進・昇格や、教育・研修の機会が与えられなかったり、限定されているからです。

  かつて、非正規社員の大多数が、主婦パートや学生アルバイトなど「空いた時間を利用して」「生活の補助的収入を得たい」層だったころは、短時間勤務の人も多く、正社員との処遇の違いにも、おおむね合理性がありました。

 ところが、バブル崩壊後の景気の低迷を、人件費コストの削減で乗り越えようとしてきた企業行動の結果、こうした合理性のない層が続々と非正規労働者化していきます。それが2008年秋のリーマン・ショックを機に、「派遣切り」「年越し派遣村」といった言葉とともに一気に顕在化。ワーキング・プアなどとくくられ、大きな社会問題として論じられるようになりました。

 広島市内で、路面電車とバスを運行する広島電鉄も、経営悪化を理由に2001年、運転士・車掌の採用を、正社員から契約社員に切り替えました。その後、契約社員および同等の賃金体系で働く人たちは年を追うにつれ増え、乗務員の36.7%を占めるに至ります。広島電鉄は2009年10月に、そうした318人全員を一斉に正社員に登用し、賃金も賞与も退職金も、すべて同一としたのです。

 当時、広島電鉄のこの行動は、新聞でも大きく報じられました。そのくらい、センセーショナルつまり「他社がやらない」こと、だったのです。
 では、なぜ、どうして、そんなことを行ったのか。以来丸3年を経た今、正社員化の決断を、同社がどう評価しているのか。そんな疑問を、率直にぶつけてみました。


本人が語る、契約社員「正社員化」の効用

  「無期雇用契約になって、ものすごく安心したのを覚えています。『ああ、これでもう、来年の心配はしなくていいんだ』と。1年契約のときは、仕事をしていても、常に『来年はこの仕事はできないかもしれない』という思いがありました。今はこうした心配をせず、車掌の仕事に100%集中できます」
 
 と、2009年10月に正社員登用された車掌の池本啓一さん(写真上)。同じく正社員登用された路面電車の運転士盡純也さん(写真中)は、こう振り返る。

 「正社員になって、家族や友人にも『広電に勤めている』と、ようやく胸を張って言えるようになりました。賃金も上がり、また昇給・昇格の可能性も見え、生活の上でも安心しました。モチベーションが上がったのはもちろん、一層責任感が増しました」

 2人のこの言葉には、広島電鉄が2009年に実施した「契約社員の正社員化」および「職種・職責に応じた新たな賃金制度の導入」の結果が、端的に表れる。営業利益も、2009年度こそ電車部門で8200万円の赤字を出したが、翌年には電車・バスともに黒字化。2011年度は、電車・バス両部門を合わせ、営業利益2億100万円を確保している。不動産などを含む全業の営業利益は10億7600万円だ。

 広島電鉄株式会社 M・Sカンパニー プレジデントで、同社取締役の倉本勇治さん(写真下)は、当時のことを、こう話す。
 
 「全社員の処遇を、正社員に一本化することで、年間3億円のコスト増と試算しました。当社の事業規模で、毎年これだけ負担が増せば、経営に大きな影響を与えます。でも、決断しました。雇用不安、昇給のない働き方への不満や不公平感を解消し、社員一体で会社を支える体制にしたいという思いから決めたのです」

 

 

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●広島電鉄株式会社
所在地(本社)/広島県広島市中区東千田町二丁目9番29号
設立/1942年
従業員数/1351人
資本金/23億3562万5000円
営業収益/170億1200万円(2011年度)
事業内容/鉄軌道事業、バス事業、不動産事業(土地建物の販売・賃貸)
ホームページ/http://www.hiroden.co.jp/

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