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メンタルトレーニングの考え方をベースに、ビジネスシーンで沸き起こるさまざまな感情との向き合い方を解説します。(2021年3月4日)
スポーツの世界でもビジネスの世界でも集中力は必要です。集中とは、「注意もしくは意識をあることに集中して、それを持続する能力」と定義されています(日本スポーツ心理学会,2016)。「あることに集中する」とありますが、集中の対象は、4種類に分けることができます。
(1)身体の外側への狭い集中
(2)身体の外側への広い集中
(3)身体の内側への狭い集中
(4)身体の内側への広い集中
外側への集中とは、眼や耳で見聞きし、情報を集める集中です。広いか狭いかは、情報を集める範囲が広いか狭いかを意味します。一方、内側への集中とは、身体への集中または思考中を意味します。広いか狭いかは、身体全体か身体の一部分か、考えを巡らせているか決断したときかを意味します。
4種類の集中で、最重要かつ発揮することが難しい集中が、身体の外側への広い集中です。外側の複数のことに同時に注意を向ける集中といえます。
緊張すると、集中は内側に向きやすく、狭くなりやすい傾向があります。外側の複数のことに注意を向けて情報を広く収集することができないと、正しい判断、行動ができなくなります。身体の外側への広い集中は、人間のあらゆる行動の土台となる集中なのです。
今回は、外側への広い集中訓練法を紹介したいと思います。最初に外側への集中訓練法です(Wulf,2013)。スポーツの場合、緊張すると考えすぎてしまったり、フォームに注意してしまい、集中が内側に向きやすくなります。
そうすると身体の自然な動き、自動性を阻害してしまうことが分かっています。自動性の阻害を防ぐために、ビデオを使ってみましょう。
(1)ホームビデオ、スマホを使って自分の姿を撮影します
自分の姿を撮影すると、ついつい考えすぎてしまったり、自分の動きをコントロールしようとします。集中が内側に向いてしまっている証拠です。
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●文/笠原彰(かさはら あきら)
作新学院大学教授、メンタルトレーニングラボ代表、栃木県体育協会スポーツ医科学委員会委員
日本体育大学大学院修了。プロアスリートや中高生チームへの指導など、メンタルトレーニングに関する豊富な実績を持つ。近年はスポーツ分野にとどまらず、一般企業のビジネスパーソンのメンタルスキルトレーニングや講演活動も行っている。著書に『誰でもできる 最新スポーツメンタルトレーニング』(学研プラス)、『気持ちの片づけ術』(サンクチュアリ出版)、『ゴルフのメンタルテクニック エビデンスに基づく 50のドリル』(ゴマブックス)。
http://mt-labo.sakura.ne.jp/
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