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ヒトが辞めない会社の採用活動

第4回「採用活動に関わる法知識Q&A」

採用活動は、採用して終了ではありません。すぐに辞められてしまったら意味がないからです。定着・戦力化までを見据えた採用活動について考察します。(2024年1月23日)

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Q.内定取消が認められるのは、どういうケースですか?

A.内定取消は解雇と同等です。客観的に合理的な理由と、社会通念上相当として認められる必要があります。


内定とは何か?

 例えば、企業と求職者の間で「あなたを5月から採用します」「はい、分かりました」という会話がなされると労働契約が成立します。これを内定と言い、労働契約が成立しているので簡単に取り消すことはできません。

 内定を法律的にいうと「始期付解約権留保付労働契約」と解されます。入社までの始期に一定の期間があり(=始期付)、その間にやむを得ない事由が生じた場合に雇用者は内定者との労働契約を解約する権利を持つこと(=解約権留保付)を意味します。

 内定取消には、内定者都合と企業都合があります。内定者都合は「提出書類に虚偽の内容が記載」「健康状態の悪化」「卒業見込みだった学校を卒業できなくなった」などがあげられます。企業都合は新規採用が困難な状況に陥った場合で、通常の解雇と同じように客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当として認められる必要があります。例えば業績不振で、かつ整理解雇の必要性があることです。





整理解雇の4要件

 整理解雇とは、経営不振などで人件費を削減するために行う解雇のことです。いきなり行うことはできず、下記の4要件を満たす必要があります。

・会社の維持、存続させるために人員整理が必要であること
・希望退職の募集、一時帰休などの解雇回避の努力をしたこと
・人員選定の基準と人選が、合理的で公平であること
・労働者に説明し、納得を得る努力をしたこと

 具体的な流れは、残業の抑制や新規採用の縮減、人員の配転・出向などを行い、それでも十分でなかったら希望退職を募ったり、一時帰休を行います。その上で、さらに踏み込んだ措置が必要になったときに整理解雇という選択肢が出てきます。

 意味合いとしては、内定取消も整理解雇と考えられるかもしれません。適切なプロセスを踏み、内定者に配慮しながら慎重に行っていく必要があります。


Q.今年10月に社会保険の適用拡大がありますが、採用活動にはどんな影響が考えられますか?

A.人事戦略や採用方針、雇用管理など、会社の人事・労務全般に影響することが考えられます。会社の将来を見据えた対応の検討が望まれます。


10月に社保適用拡大

 今年10月、社会保険の適用範囲が広がります。現在、従業員数101人以上の企業への適用が義務化されていますが、10月以降に従業員数51人以上※の企業にも適用されるようになります。

※社会保険の適用拡大に関する従業員数とは現在の厚生年金保険の適用対象者数を指し、会社全体の従業員数ではない。カウントされるのは、フルタイムの従業員と週の労働時間がフルタイムの4分の3以上のパートタイマー・アルバイトなどの従業員(繁忙期のみ働く期間限定スタッフは含まない)

 社会保険の適用拡大で、企業は社会保険料や行政手続きなど、さまざまな負担が増えることになります。企業には、適用拡大後に増えるコストを意識した雇用管理を考えていく必要があります。具体的に言えば、今後自社で働く人を「どのように確保し、働いてもらうのか?」を検討することです。

人事戦略を考える

 例えば、保険料の負担を抑えたいのであれば、短い時間や少ない日数で働くことを希望するパートタイマーやアルバイトを増やすことが考えられます。あるいは、働く人が増えることによるコストと長く働いてもらえる人を雇用するコストを比較し、「自社にとってどちらがいいのか?」を検討してみることも考えられます。現実的な問題として、パートタイマーやアルバイトという雇用形態について考えていく必要があるのかもしれせん。

 人件費は近年、上昇を続ける最低賃金の問題もあります。会社全体の労務管理のコストも含めて、自社に適した人事戦略や採用方針、雇用管理を考えていかなければならないのではないでしょうか。

 


●文/三宅航太
2004年、株式会社アイデム入社。東日本事業本部データリサーチチーム所属。同社がWebサイトで発信する「人の戦力化」に関するコンテンツの企画・編集業務に従事する。さまざまな記事の作成や数多くの企業を取材。
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