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政府や調査機関などが発表している労働関係の統計データを中心に、データの見方や、仕事に生かすやり方を解説します。
1.はじめに
「自分の賃金は、世間水準と比べて低くないか」と思ったことはありませんか。このようなときには、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を見てみましょう。「賃金センサス」とも呼ばれる、この統計のデータでチェックすれば、自分の賃金が世間水準と比べて低い(高い)のかどうかが、すぐに分かります。
2.「賃金構造基本統計調査」とは
「賃金構造基本統計調査」とは、職種や年齢階級ごとの賃金水準を調べるために、厚生労働省が年1回行っている調査です。調査結果はインターネット上で公開されているため、誰でも簡単にデータを入手することができます。
例えば、【図表1】は、賃金構造基本統計調査から情報サービス業の年齢階級別賃金水準に関するデータを抽出したものです。これを見れば、この業界における各年齢層の賃金の相場が分かります。
賃金構造基本統計調査の特徴として、集計対象となっている産業あるいは職種の種類が豊富なことがあげられます。産業は約90種類(産業中分類)、職種は約130種類ものデータが集計されていますから、【図表1】のように、特定の産業に絞り込んだ賃金水準を調べることができるのです。
3.自分の賃金を比較してみよう
賃金構造基本統計調査では、「所定内給与額」「きまって支給する現金給与額」「年間賞与その他特別給与額」の3つの給与支給額が示されています。
(1)所定内給与額
所定労働時間働いた場合に通常支払われる給与のことで、基本給以外にも職務手当や家族手当等が含まれます。ただし、超過労働給与額(残業手当や休日出勤手当等)は含みません。
(2)きまって支給する現金給与額
就業規則等によって定められた条件・計算式に基づいて支給された給与で、所定内給与額に超過労働給与額を加算したもの(月例賃金)です。
(3)年間賞与その他特別給与額
調査が行われた年の前年1月から12月までの1年間に支払われた賞与や特別給与額の合計額です。
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●深瀬勝範(ふかせかつのり)
Fフロンティア株式会社代表取締役。社会保険労務士。1962年神奈川県生まれ。一橋大卒。大手電機メーカー、金融機関系コンサルティング会社、大手情報サービス会社を経て、独立。企業・公共団体の人事制度設計や事業計画の策定等のコンサルティング、人事労務専門誌などに寄稿も行っている。著書に「労政時報別冊 実践人事デ−タ活用術」(労務行政)。
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