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判例に学ぶ労使トラブルの処方箋/岡正俊

共働き育児中の社員への転勤命令は権利の濫用?〜K社事件(最高裁H12.1.28、労判774号7頁)〜

近年、労働関係の訴訟は社会的関心が高まり、企業にとって労使トラブル予防の重要性は増しています。判例をもとに、裁判の争点やトラブル予防のポイントなどを解説します。(2025年8月26日)

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【解説】
 本件の最高裁判決は、共働きで育児中の労働者で、異動により通勤や育児上の不利益を受けることがあっても、「それだけで通常甘受すべき程度を著しく超える不利益とは言えない」としています。結論として「異動命令は適法」と判断されていますが、以下のような点をポイントとして指摘したいと思います。





 1つは、本件は育児介護休業法改正前の異動命令であったことです。現在では同法26条において、企業に対する労働者の育児や介護の状況への配慮義務が定められています。同規定のみで直ちに育児に影響を与える異動命令が違法になるわけではありません。ただ、労働者が育児を理由に異動に難色を示した場合に、「異動に応じるのが当然」と考えるのではなく、真摯にヒアリングを行い、労働者と協議し、代替案を提示するなどの配慮、手続が重要になってきます。本件でも会社側にそのような姿勢があった点が評価されています。

 一方で労働者側に協力する姿勢、話し合いに応じる姿勢が見られないと認定された点もポイントだと思います。使用者側の配慮だけでは次善の策の検討、問題の解決に至らない場合もあると思いますので、労働者側もそれに協力し「どこまでであれば不利益を受け入れることができるのか」、具体的に検討する姿勢が求められると言えます。

 仕事と育児の両立はケースによっては簡単ではないこともありますので、そのような場合には労使双方が知恵を出し合ってよりよい解決を目指すことが大切だと思います。



●文/岡正俊(おか まさとし)
弁護士、杜若経営法律事務所代表。1999年司法試験合格、2001年弁護士登録(第一東京弁護士会)。専門は企業法務で、使用者側の労働事件を数多く取り扱っている。使用者側の労働事件を扱う弁護士団体・経営法曹会議会員。
https://www.labor-management.net/
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