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景気低迷、長引くデフレ、少子高齢化に伴う労働力不足など、日本の企業経営は、過去に経験のない難しさに直面しています。そんななか、すべての源泉ともいえる「人」の活用はどうあるべきか。について、事例等をもとに、柔軟な視線で考えます。
栃木県大田原市に本社を置くアイ電子工業。携帯電話の部品の組み立てなど、下請けを主とする、従業員規模230人の企業です。
2011年は、あの震災、放射能汚染に関する風評被害、計画停電やタイの洪水被害など、同社の存続を揺るがす1年となりました。
しかし今、代表取締役である�盒尭膳弌覆里蠅澆繊砲気鵑蓮¬世襪ぞ亟蕕馬辰靴泙后�
「確かに、大変な1年でした。でも、これを乗り越えることによって、当社が得たものは、ものすごく大きかったと思います」
なぜ、近隣の同業他社が倒産・廃業していくなか、アイ電子工業は元気を取り戻せたのでしょうか。
理由は、人材に関する「業界では“非常識”な」考えと、その実践にありました。
(取材・文・写真/人と仕事研究所 所長 平田未緒)
数年ごとの大ピンチを乗り越え、また巨大地震
アイ電子工業は、1981年の設立以来、典型的な下請け・孫請け工場として、その歴史を刻んできた。
この間、浮き沈みを経験するも、今では本社工場に加え、埼玉(さきたま)工場、黒羽工場、敷地面積1万7000平方メートルの黒磯工場の他、大手メーカー2社の工場敷地内で、構内請負を受託している。
同社代表取締役の�盒尭膳个気鵑蓮⊃兇衒屬襦�
「実は当社は2002年、大手お取引先の倒産により、3億円の不良債権を抱えました。これを必死の思いで解消し、故あって取得することになった黒磯工場入手のため、3年後に銀行から、また3億円の融資を受けました。その2年後、ベトナムにリース工場を建てるため、さらに3億円を借り入れます。結果借金は10億円を超え、毎月の返済額も2700万円を超えるまでになりました。しかし、当時仕事は順調で、何とかなると思っていたのです」
そこに起きたのが、リーマン・ショック。同社の受注も激減した。しかし、必死の合理化でこれに対応、「ようやく立ち直り始めたかな」と思い始めた矢先の2011年3月11日、あの震災に見舞われたのだ。
「10億円を超す借金と、床面積3600平方メートルの工場を抱えながら、仕事の依頼がまさに“パッタリ”絶えました。夏の賞与はとても払えません。周囲に『アイ電子は危ないぞ』と言われているのも、分かりました」
しかし、環境を理由に落ち込み、立ちすくむ選択肢を、�盒兇気鵑呂發燭覆�った。
「会社を明るく元気に、何としても生き残っていくには、どうするか? を必死に考えました。昔から大事にしている“臨機応変”で発想を転換、できることから実行していったのです」
結果は、冬の賞与に表れた。0.7カ月分、出すことができたのだ。
「『え、本当に出るんですか?』『大丈夫なんですか!?』と言いながらも、社員がものすごく喜んでくれましてね」
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直接雇用の社員を増やそうとする“非常識”
アイ電子工業の復活は、はた目にも「奇跡」。成しえた理由の根幹は、同社の人材活用にある。
これほど不安定な経営環境にありながら、正社員はもとよりギリギリまで契約社員の雇用も維持。しかも、受注の波による極めて激しい繁閑の差を、「できるだけ派遣社員や業務請負の利用に頼らずに」埋める方法を考え続けた。
製造業においては“非常識”とすらいえるやり方である。
「派遣社員や業務請負で受注の波に対応するのは、ある種簡単です。当社でも、利用してきました。でも、途中から、これを少しでも減らす努力をしてきたのです」
理由は、派遣社員や業務請負を活用しどれだけ仕事をこなしても、自社内には技術も経験も蓄積されないこと。しかも、新しい派遣スタッフが来たり、新たな仕事を業務委託するたびに、社員が一から教えたり説明する必要がある。
「日々の指導や説明は、まるで『崩されても、崩されても、また積み上げる』という、さいの河原に石を積むような作業となり、指導者がうんざりしているのが分かりました。自社の貴重な人材に、こんなことを続けさせ、疲弊させてはいけないと思ったのです」
同時に、自社に来てくれる派遣社員への思いもあった。
「800人を要した受注が半減すれば、次月は400人分が契約更新できません。形こそ“人材派遣サービスの購入”ですが、実際、当社で働いてくれるのは生身の人。こんな、人をバカにするような働かせ方を、続けてはいけないと思いました」
企業が人材派遣や業務請負を利用するメリットはある。これを活用せず、正社員や契約社員など直接雇用の労働力で対応するということは、人件費という大きな支出を固定費化する方向だ。
受注が激しく増減するなか、なぜそんなことが可能になるのか。
理由を具体的に見てみよう。
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所在地/栃木県大田原市美原3丁目3323番地12
設立/1981年(創業/1980年)
従業員数/約230人(うち契約社員等約100人)
資本金/1億円
年商/25億2000万円(2011年12月)
事業内容/部品組み立て、各種製造業務等
ホームページ/http://www.ailove.co.jp/
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