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パートタイマー白書や学生を対象にした就職活動に関する意識調査など、当研究所が独自で行っている調査から見えてくることを考察します。
同一労働同一賃金推進法が成立しました。雇用形態の違いによる待遇や雇用の安定性についての格差を是正するための基本理念等を定めるものです。さらにその法案の中には、派遣法改正議論もあいまって、派遣労働者に対しての待遇に関する規定も設けられました。しかしながら、最終的に成立した内容は、派遣労働者に関する規定のうち、「職務に応じた待遇の均等」とした規定は、「業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度その他の事情に応じた均等な待遇及び均衡のとれた待遇」に変更されたものとなりました。
この修正案によって、同一労働同一賃金に対する規定が弱められたという声も上がっています。
そもそも「職務」という言葉自体は、厚生労働省の『パート労働ポータルサイト』で「業務の内容及び責任」と注意書きをしていますので、職務という言葉を業務と責任に置き換えたとしても意味が大きく変わるということはあまりないように感じます。それよりも、「均衡のとれた待遇」や「その他の事情」と言う文言を加えることによって、条件を緩やかにした、といった印象ではないでしょうか。
「責任の程度やその他の事情によって、バランスのとれた待遇なら可とする」への変更は、現行のパートタイム労働法の均衡処遇と近いニュアンスとなっています。パートタイム労働法では、「通常の労働者(正社員)と同一視すべきもの」は「職務の内容及び人材活用の仕組みが通常の労働者(正社員)と同じパートタイム労働者」としたものだからです。
◆正規と非正規の職務の違い
それでは、現状の非正規雇用と正規雇用の職務違いは、どうなっているのでしょう。
当社が実施している『パートタイマー白書』から企業の考えをご紹介します。
平成26年版パートタイマー白書では、従業員が行っている業務のうち、定型的業務(※1)の割合と非定型業務(※2)の割合とどちらが多いかを、雇用形態別に聞いています。「正社員」「パート・アルバイト」「派遣社員」等が行っている業務のうち、「定型的業務」「非定形的業務」の割合は以下のとおりとなりました。
※ 1 定型的業務:操作方法や仕事の進め方のルールに則り、上司の指示に従って行う業務
※ 2 非定型的業務:ルールや上司の指示に従いつつも、自らの判断や裁量で行う業務
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>企業が非正規を雇用する理由に変化?
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●文/岸川 宏(きしかわ ひろし)
アイデム人と仕事研究所 所長/社会保険労務士
大学卒業後、リゾート開発関連会社へ入社。飲食店部門での店舗運営を経験後、社会保険労務士資格を取得。社会保険労務士事務所にて、主に中堅・小規模企業の労務相談、社会保険関連手続きに従事した。
1999年、アイデム人と仕事研究所に入社。労働環境の実態に迫る情報提供を目指し、社内・外への情報発信を続けている。2015年4月より現職。
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