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マネジメント悩み相談室/田中和彦

第22回「フレックスタイム制の朝礼」

マネジメントに関する悩みについての解決策を示したり、対処法などを解説します。

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■相談
うちの会社ではフレックスタイム制度が実施されています。コアタイムは10時〜15時で、その間だけいれば、あとの時間は社員の使いたいように自己管理で行われるというものです。隣の課では課長が「朝礼を毎日8時50分から実施したい」と言ったら、社員から猛反発にあってしまい、結局朝礼は10時からという中途半端な時間から実施されることになりました。私としては10時ではなく、もう少し早い時間に実施したいと思っているのですが、フレックスタイム制度のもとでは、どのように朝礼を実施したらいいでしょうか

 

 

■回答
連絡事項の伝達だけが目的なら、メールでの対応も可能です。わざわざフレックスタイム制の社員をコアタイム以外の時間帯に集めることに異論が出てもおかしくはありません。ただし、勤務時間帯がバラバラなフレックスタイム制だからこそ、全員が顔を合わせて一体感を作る事にも意味があります。社員の負担にならない時間帯と拘束時間と内容で、週に1回か、月に1、2回実施することなら、むしろ朝礼の意義は高まる気がします。実施するにしても、話は短く簡潔に。みんなが集まることによって、全員が気持ちよく仕事に取り組めるような朝礼を心がけることです。

 

 

 

 

 まずは、あなたが朝礼を実施したい理由を明確にしましょう。はっきりとした理由もなく、慣例として朝礼を実施し、その内容が形骸化したようなものなら、社員にとっても意味が感じられず、どのような形で実施しても反発があるだけです。


 一般的に朝礼の意義というのは、
1.上司からの報告も含めて、全員にとって必要な情報を共有すること
2.全員そろってあいさつすることで、仕事に向かう空気をつくること
に集約されると言ってもいいでしょう。


 1の情報共有は、緊急性の高い低いにかかわらず、関係する全員に対して一斉メールを送れば済むことです。その日のうちに全員に伝えておく必要のある内容は、課内の一斉メールで対応するとルール化してしまえば、とくに全員が集まる必要性はなくなります。


 2について、必要性を説くのは非常に難しいのですが、仕事に向けた意識を高めるとか、メリハリをつけてオンとオフの切り替えをうまく行うということでしょうか。しかし、そもそもフレックスタイム制を導入しているのに、一律にそれを行うこと自体が矛盾のようにも感じられます。


 フレックスタイム制や裁量労働制を導入している企業も増えていますし、そもそも「働き方改革」の中で、オフィスから離れた場所で働くテレワークや在宅勤務、自分の決まったデスクを持たないフリーアドレス制などを実施している企業では、毎日全員が顔を合わせること自体が前提になっていないことがあります。

 


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●文/田中和彦(たなか かずひこ)
株式会社プラネットファイブ代表取締役、人材コンサルタント/コンテンツプロデューサー。1958年、大分生まれ。一橋大学社会学部卒業後、人材サービス関連企業に入社し、情報誌の編集長を歴任。その後、映画配給会社のプロデューサー、出版社代表取締役を経て、現在は、「企業の人材採用・教育研修・組織活性」などをテーマに、“今までに2万人以上の面接を行ってきた”人材コンサルタント兼コンテンツプロデューサーとして活躍中。新入社員研修、キャリアデザイン研修、管理職研修などの講師や講演は、年間100回以上。著書に、『課長の時間術』『課長の会話術』(日本実業出版社)、『あたりまえだけどなかなかできない42歳からのルール』(明日香出版社)、『時間に追われない39歳からの仕事術』(PHP文庫)、『仕事で眠れぬ夜に勇気をくれた言葉』(WAVE出版)など多数。
連絡先:info@planet-5.com

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