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日々流れてくる労働関連の多彩なニュース。本コーナーは、アイデム人と仕事研究所の所員が、そうしたニュースに触れて「思うこと」を持ち回りで執筆します。
厚生労働省が先月30日発表した2017年12月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.03ポイント高い1.59倍。上昇は3カ月連続で、1974年1月(1.64倍)以来43年11カ月ぶり高水準、9か月連続でバブル期のピークを超え、空前の「売り手市場」です。一方、12月の完全失業率は前の月より0.1ポイント高い2.8%。完全失業率の悪化は7カ月ぶり。総務省統計局は「よりよい条件の仕事を探すために自発的に仕事を離れる人が増えているとみられる」と分析しています。
人手不足倒産が前年より2倍増
現在、中小企業を中心に人手不足が深刻化しています。人手不足感が解消されないなかで、いわゆる「人手不足倒産」が増加しており、東京商工リサーチの調査によると、2017年(1-12月)では前年より2倍増で推移しています。産業別に見ると、最多が建設業の79件(前年比3.9%増、前年76件)、次いでサービス業他が76件(同13.4%増、同67件)と続き、この2産業だけで約半数(構成比48.8%)を占めています。
そもそも建設業については、建設投資が平成4年度の84兆円をピークに減少し、平成22年度には平成4年度の半分程度にまで減少しています。業界自体が縮小傾向であり、3K(キツイ、キタナイ、キケン)職種であり人材を確保するのは容易ではないでしょう。東日本大震災からの復興、東京オリンピック特需による案件が増加しても、人手不足による業界内での人材の奪い合い、その結果、人件費の高騰。仮に受注が増えても人件費が膨らみ利益が出ません。慢性的ともいえる非常に厳しい経営を強いられています。
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●文/波多野雅彦(はたの まさひこ)
アイデム人と仕事研究所 教育・研修企画/営業担当
大学卒業後、大手ゼネコンにて国内外建設プロジェクトの施工管理に従事。経営学修士号取得後、経営コンサルティング会社にて、経営体質改善・人材育成支援業務に携わる。現在、アイデム人と仕事研究所にて、教育・研修を通してお客様が目指す会社づくり、人づくりにお役に立てることを目指して日々業務に取り組んでいる。
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