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6月末、働き方改革関連法が成立しました。残業規制の強化や有休取得義務化など、早いものでは来年4月に施行され、企業は対応を迫られることになります。本コーナーは、同法の柱の1つである残業抑制をテーマに、労働時間管理の考え方や実践方法などについて、解説します。(2018年10月24日)
■タイムマネジメントを行いつつ、予定外の仕事にも対応するには?
労働時間をうまくコントロールするためには「残業するのもやむなし」という状況をできるだけ作らないようにする必要があります。つまり、期限ギリギリにならないように、早めに仕事を進めていけばいいのですが、なかなか難しいですよね。期限ギリギリの状況に追い込まれ、残業してなんとか間に合わせた…という経験のある人は多いはずです。
そんな状況に追い込まれないようにするために、前回紹介したタイムマネジメントのポイントの1つ、タスクをいつやるかを仮決めすること、つまり、タスクを「実行日に書く」ことが役立ちます。
なぜ、実行日に書くといいのか、あまりピンとこない人もいるかもしれませんが、これはとても大きな違いを生みます。
タスクを実行日に書くこと、つまりタスクを日付ごとに分けることで、それぞれの日の仕事量がつかみやすくなります。その日の空き時間(アポイントメントのない時間)と、その日のタスクの所要時間(の合計)を照らし合わせれば、その日の仕事量が適正かどうか、かなり正確に判断することもできます。
つまり、実行日に書くことは、そのタスクを「いつやれるか(やる時間をどこで確保できるか)」を考えることにつながるのです。これは、ただ普通にタスクを書きとめるだけではできないことです。
ただ、こうして実行日を決めても、その日にそのタスクを必ず実行できるとは限りません。前回も紹介したように予定外の仕事も必ず割り込んできます。ですから、予定外の仕事が多ければ、タスクを翌日に繰り越すことがあっても構いませんし、逆に予定外の仕事が少なければ、翌日のタスクまで前倒しで終わらせてしまいます。当日の状況に応じて、タスクの実行日を変更し、その日の仕事量を調整するわけです。
お気づきの方もいると思いますが、このように状況に応じて調整するためには、タスクの実行日は期限ギリギリではなく、少し早めにしておく方が有利です。普段から「予定外の仕事は必ず発生する」という前提で考えて、タスクの実行日は早めにしておくのがおすすめです。
このように、タスクを実行日に書くことは重要ですが、その実行日を変更してはいけないわけではありません。最初にタスクをいつやるか「仮決め」するという言い方をしたのもそのためです。予定外の仕事も発生する以上、タスクの実行日を調整することは絶対に必要であり、それによって仕事量を平準化し、残業に頼らずに仕事を進めやすくできるのです。
ただし、「タスクの実行日を変更しても構わない」と言っても、毎日タスクが遅れてばかり…となっては困りますよね。そのために必要なのが、自分の仕事量を把握し、仕事を取捨選択することです。
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●文/水口和彦(みずぐち かずひこ)
時間管理コンサルタント。大阪大学大学院修士課程修了。住友電気工業株式会社にて研究開発・生産技術・品質管理エンジニアとして勤務するなかで時間管理を研究し、残業を大幅に削減する。その経験を活かし2006 年に独立。数少ない「時間管理(タイムマネジメント)専門講師」として、企業や自治体、教育機関などにおいて時間管理の研修や指導を行っている。
『部下を持つ人の時間術』『仕事力が3倍アップする時間活用法』(実務教育出版),『時間活用術』(産業能率大学出版部)など時間管理に関する著書多数。
http://www.bizark.co.jp/profile2.html
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