第6回「人間的魅力(上司力)」強化プログラム
経営の源泉は人です。企業の存亡は、「人をどう育てていくか」にかかっているといっても過言ではありません。時代環境を踏まえながら、今後の社員教育のあり方について考察します。
1.「人間的魅力(上司力)」とは何か?
管理職研修や幹部研修で必ず出てくるテーマが「リーダーシップ力」「マネジメント力」「部下指導力」であります。これらのテーマについては多くの書籍やプログラムも開発されています。
しかし、「リーダーシップ力」等のプログラムを進めていく時に必ず登場するのが「人間的魅力」という言葉です。「人間的魅力」というと途方もない広がりを見せます。研修の場所で「人間的魅力とは何か?」と研修参加者に問うと下記のような回答が返ってきます。
●研修・セミナー等参加者の「人間的魅力のある上司・経営者とは?」回答例
【本人の姿勢・生きざま】
責任感のある人、約束を守る人、うそを言わない人、信念のある人、志の大きい人、自分の意志のある人、言葉遣いの丁寧な人、礼儀正しい人、清潔な人、おしゃれな人、教養ある人、プラス思考の人、感謝・謙虚のある人、感性の高い人、笑顔で明るい人、きれいな言動や姿勢の人、生き生きしている人、礼節ある人、素直でかざらない人 自分に余裕がある人、重厚沈着な人、豪放磊落(らいらく)な人、心が穏やかな人、忍耐強い人、プロフェッショナル、一所懸命の人、判断力・決断力ある人、率先垂範の人、実践の人…
【他人(部下)との関わりでの姿勢・言動】
人の話を真剣に聞く人、目を見て会話ができる人、心配りできる人、一歩先の心配りができる人、受け入れる余裕のある人、他人のために動く人、人の集まる人、思いやりある人、気遣いができる人、良い距離感を持っている人…
私の考える「人間的魅力」についての概念を再掲(※第3回に掲載)しておきます。
2.「人間的魅力」の磨き方・高め方
よく明治時代は「人間的魅力」のある政治家や実業家が多く、戦後ではバブル前までは人間的魅力ある経営者が多くいたと言われています。戦後の代表的魅力ある経営者として名前があがるのが、松下幸之助氏・本田宗一郎氏・井深大氏・中内功氏・塚本幸一氏などさまざまな業界先駆者です。※(御存命の方の名はあえてあげませんでした)
この方々は、経営者としてだけでなく人間として魅力ある方々でした。その共通点は、事業に夢・志を持って取り組み成功を収められました。「人間的魅力」を磨き・高めるには、日々の仕事や人生の中で学ぶ以外ないわけです。なぜならば、その人の性格・言動・生き方・生きざまが体の内側から醸し出されるものだからです。また、日々のビジネス・経営実践の中で磨き・高められたことに加えて、さまざまな方法で勉学に励んでおられたことも間違いありません。
このように自分を磨き高められる方法としては、真剣に仕事と取り組み、多くの人との交流の中で自然に魅力ある人になり、それに加えて読書家でもある人が多いものです。「人間的魅力」の鍛え方は自己啓発というより自己修養・修行の部類になるからです。
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田中勉●サービス企業、教育企業で人事、教育、事業開発担当マネージャー、役員(専務)を経て、現在「温故知新」研究所・代表。企業の社員研修をはじめ、講演、セミナー等で活動。自らも営業の現役として、科学的で人間的な営業活動を実践中。日本営業道連盟・代表・九段・正師範。
http://homepage3.nifty.com/consul_tanaka/
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