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怒りや妬みなどの負の感情のコントロールを学ぶことは、メンタルを強くし、仕事の成果や自己成長につなげることができます。メンタルトレーニングの考え方をベースに、ビジネスシーンで沸き起こるさまざまな感情との向き合い方を解説します。(2019年11月28日)
10月末、米国で開催された国際応用スポーツ心理学会で興味深いワークショップを受講してきました。タイトルは、「ACTを理解し活用し、集中力を高めてパフォーマンスを高めよう」でした。ACTとは、Acceptance and Commitment Therapyの略語であり、「アクト」といわれています。Acceptance(アクセプタンス)は受容、受け入れるという意味です。Commitment(コミットメント)にはさまざまな意味がありますが、私は、向かっていくこと、没頭することと定義しています。
アクトには、A=accept、C=choose、T=take action(受け入れる―価値あることを選択する―実行する)という解釈もあります(Forsyth & Eifert,2007)。一般的なメンタルの考え方は「プレッシャーに勝つ、プレッシャーに負けない、焦らない、緊張しないように」というものでした。ACTは、ネガティブな感情と戦ったり、減らそうとすると、余計に苦しくなると考えます。ネガティブな感情に集中してしまうからです。
そこでA=acceptです。受け入れるのです。ネガティブな感情は受け入れる、または放っておく感じです。自分にとって価値のある思考と行動を選択し、実行することが、ACTの考え方です。
左側の赤字は、パフォーマンスにマイナスな行動や考えです。これはACTとはいえません。右側の青地は、パフォーマンスにプラスな価値のある行動や考えです。これがACTです。
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●文/笠原彰(かさはら あきら)
作新学院大学教授、メンタルトレーニングラボ代表、栃木県体育協会スポーツ医科学委員会委員
日本体育大学大学院修了。プロアスリートや中高生チームへの指導など、メンタルトレーニングに関する豊富な実績を持つ。近年はスポーツ分野にとどまらず、一般企業のビジネスパーソンのメンタルスキルトレーニングや講演活動も行っている。著書に『誰でもできる 最新スポーツメンタルトレーニング』(学研プラス)、『気持ちの片づけ術』(サンクチュアリ出版)、『ゴルフのメンタルテクニック エビデンスに基づく 50のドリル』(ゴマブックス)。
http://mt-labo.sakura.ne.jp/
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