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メンタルコントロールは仕事の成果や自己成長につながる重要なスキルです。ビジネスシーンでわき起こるさまざまな感情との向き合い方を解説します。(2021年7月15日)
企業で総務の仕事をしている派遣社員(35歳女性)の相談。自分はどこに行っても人間関係でつまずくという。前職も1年続かず、今回も6カ月でつらくなってしまった。実は高校時代から落ち込むことがあり、大学のときに心療内科を受診し、アダルトチルドレンと言われたこともある。
それでも薬を飲むなどの本格的な治療が嫌で、何とか自分なりに対処してきた。ただ昨今、女優の深田恭子さんの適応障害や、テニスの大坂なおみさんのうつ病の報道があり、「自分もそうなのではないか?」と不安になった。また「繊細さん」という本や記事を読んでみると自分のことが書いてあるようで、この状態をなんとか乗り越えるために、カウンセラーを利用してみようと勇気を振り絞って相談。リモートで面接してくれるというのも、相談を後押しした。
情報によって不安が大きくなる
深田恭子さんや大坂なおみさんに絡めて、適応障害やうつ病に関するニュースがいろんなところで紹介されています。それを読むとその違いは何なのか気になるし、一つ一つの症状が自分にも当てはまるような気がして不安になってしまう…、最近そんなクライアントが多いのです。さらに昨年から「繊細さん」がブームになり、自分にも当てはまるのでどう対処したらいいか、という相談も増えています。
共通するのは、やはり表面的なトラブルとして人間関係の難しさを感じているところです。人は「情報」によって不安が大きくなります。多くのクライアントは、確かに自分自身の問題はあるものの、ニュース報道やネットの記事などに触れたことがきっかけで、不安、つまり悩みが大きくなっているのです。
また、このクライアントの場合、大学生のときにアダルトチルドレンと診断されたことが、心に引っかかっています。こういう場合、私は本人が落ち着くような情報を提供し、安心してもらうことからスタートするようにしています。
適応障害とうつ病の違いって?
まず適応障害とうつ病ですが、このような区分があると、どうしても私たちは区分に意識が向き、「自分はどっちだろう?」と心配してしまいます。区分が違えば対処法も違う、だから今の苦しい状態が治らないのだ、と想像してしまうからです。
もちろん医療関係者から見れば、違いはあるでしょう。ところが長年現場で活動してきた私からすると、適応障害とうつ病の差は、クライアントはあまり気にしなくていいと考えています。どちらもうつっぽい症状で、適応障害はうつ状態の原因が、診断した医者にも何となく共感できる場合につけられやすい診断名。一方、あまりストレス源が明らかではないのにうつ状態が長引いている場合につけられやすいのが、うつ病という診断名。同じ状況でも、ドクターによって違う診断名がつくことはざらです。
ドクターは、診断によって治療方針(多くは薬の種類)を変えるかもしれませんが、クライアントが、まずやるべき対処は同じなのです。うつ状態になった人の基本的対処は、(1)ストレスと感じているものから距離をとり、(2)数週間から数カ月ほど休む、ということです。コロナの変異株が来ても、予防対処は同じというのと似ています。基本的な対処は変わらないのです。
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●文/下園壮太(しもぞの そうた)
元陸上自衛隊メンタル教官、メンタル・レスキュー協会理事長、同シニアインストラクター。防衛大学校を卒業後、陸上自衛隊入隊。陸自初の心理幹部として、自衛隊員のメンタルヘルス教育、リーダーシップ育成、カウンセリングなどを行う。退官後は講演や研修を通して、独自のカウンセリング技術の普及に努める。『自衛隊メンタル教官が教える心をリセットする技術』(青春出版社)、『50代から心を整える技術』(朝日新書)など著書多数。
https://www.yayoinokokoro.net/
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