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イキイキ働くためのメンタルコントロール〜自衛隊メンタル教官に学ぶ〜/下園壮太

第7回「事故を目撃した後、不調になった」

メンタルコントロールは仕事の成果や自己成長につながる重要なスキルです。ビジネスシーンでわき起こるさまざまな感情との向き合い方を解説します。(2021年10月19日)

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 Eさん(29歳、男性)はゲーム関係のベンチャー企業で働き始めて5年になる。コロナでいろんな制約は受けつつあるが、自分なりに仕事に手応えを感じ始めたところだった。ある日、自転車で近所をブラブラしていたところ、目の前で母娘が交通事故に巻き込まれる様子を見てしまった。それ以来心身の不調が続き、カウンセリングを訪れた。

 

 

大きなブレーキ音と悲鳴

 

 事故に遭ったのは1週間前。自分は目撃しただけで、自分自身には危険なことは起こらなかったし、けがもしてないのに、そのシーンが目に焼き付いて眠れないという。なんとなく自分を責めてしまうし、通常よく使うコンビニに向かうにも、その現場を通りたくないので、他のコンビニを使うようになってしまった。

 

 

 

 

 どんな事故だったのか詳しく聞くと、5メートルぐらいのそれほど広くない道路を自転車で走っていたとき、コンビニ前の横断歩道で信号待ちをしている親子がいた。母親は携帯を見ており、2人ともかなり道路に近いところに立っていたので「危ないな」とは思ったが、通り過ぎた。数秒走っていると、前方から大きなバンがかなりのスピードで高いエンジン音を響かせて近づいてきた。

 

 少しヒヤリとしながら通り過ぎた直後、後方から大きなブレーキ音と悲鳴が聞こえたので振り返ると、30メートルほど先で道路に斜めに停車したバンの右側に倒れているお母さんと立ち上がろうとしている子供が見えた。慌てて駆け寄ろうとしたところ、コンビニから客と店員が駆け寄り、バンからも運転手や同乗者も出てきたので、少し遠まきに様子を見ていた。結局、母親も軽傷で済んで救急車で運ばれていった。それだけのことだという。

 

 

自然な防衛反応

 

 私は彼に、今の症状は人が普段経験しないような事態に遭遇したときに生じる「自然な防衛反応」であることを説明した。
 自分やその周囲の人に死の危険があるような場面に遭遇すると、私たちはその危険、あるいは次に発生する危険から身を守ろうと、まず、その場を避けようとする。Eさんのように、ただ事件を目撃しただけでもその現場を避けるという人は多いものだ。

 

 また、そのシーンが頭から離れないのも、防衛本能が「あのことは大変危険だから、しばらくはきちんと覚えておけ」と記憶に働きかけているからだ。またそんな緊張状態では、人は眠れなくなる。それは、原始人的には夜に襲われる危険が多かったので、夜は寝ないで警戒するべきとDNAに刻まれているからだ。つまり、眠れないのではなくて、眠らないようにして、今回のリスクに立ち向かおうとしているのだ。

 

 さらに今回は自分自身もヒヤリとした体験をしたことから、不安を強く感じる要素になっている。また、事前に親子を見て「危ない」と感じていたことや救急救命に携われなかったことなどが、自責の念を強く感じる要素になっていた。

 

 

>>>次ページにつづく

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につづく 

 


●文/下園壮太(しもぞの そうた)
元陸上自衛隊メンタル教官、メンタル・レスキュー協会理事長、同シニアインストラクター。防衛大学校を卒業後、陸上自衛隊入隊。陸自初の心理幹部として、自衛隊員のメンタルヘルス教育、リーダーシップ育成、カウンセリングなどを行う。退官後は講演や研修を通して、独自のカウンセリング技術の普及に努める。『自衛隊メンタル教官が教える心をリセットする技術』(青春出版社)、『50代から心を整える技術』(朝日新書)など著書多数。
https://www.yayoinokokoro.net/

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