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できる人が辞めない職場づくり/岡本文宏

第2回「定着率を上げる『採用のあり方』」

どんなに優秀な人を採用しても、すぐに辞められてしまったら意味がありません。定着率は働きやすさを測る指標であり、会社の生産性を左右します。(2022年5月17日)

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なぜ、離職が止まらないのか?

 

「春に採用したスタッフが、秋には9割辞めてしまいました。そんな状況がもう何年も続いています。どうすればよいでしょうか…?」
 私のセミナーに参加された、ある企業の人事担当者が肩を落としながら、そう悩みを打ち明けてきました。コロナ禍前も今も、人の定着率の悪さは企業の大きな課題です。

 

 アイデムの調査によると、3カ月未満で辞めてしまったパート・アルバイトの退職理由の上位は、「最初に受けていた説明と仕事内容が異なっていたから」「イメージしていたよりも体力的に楽でない・疲れる仕事だったから」でした。
 このことから採用前に、仕事についてきちんと説明がされていないケースが多いことが分かります。これは、正社員についても同じです。 

 

 

 

 

定着率を上げるにはどうすればよいのか?

 

 まず、必要なのは採用のあり方の見直しです。求人広告や採用面接でよいことばかり伝えても、実際に働いてみると「しんどいな」と思うことや「面倒だな」と感じることがあれば、「こんなことは聞いてない…」と疑念を抱きます。そういうことが続けば、やる気が低下し、退職へとつながってしまいます。

 

 アメリカの産業心理学者のジョン・ワナウスによって提唱されたRJP理論(Realistic Job Preview)※によると、求職者がデメリットと感じることをすべて伝えてから採用した場合と、メリットになることしか伝えずに採用した場合とを比べると、明らかに「前者のほうが定着率がよい」とされています。

 

※直訳は「現実的な仕事情報の事前開示」。企業が求職者に対して仕事内容や自社について、良い面だけでなく悪い面も含めた、ありのままの情報を提供すること

 

 実際に、私のクライアント企業である飲食店では、採用面接で職場のよい点、悪い点を包み隠さず伝えています。また、仕事内容についても細かく説明し、それらを納得してもらった上で採用しています。その店のスタッフの定着率は高く、学生バイトに関しては、ほぼ全員が卒業まで勤め上げています。

 

 採用面接のやり方も見直しましょう。面接で一問一答形式で質問をしていくと、当たり障りがなく無難に答えるだけなので、応募者の本音は聞こえてきません。アルバイトの面接であったとしても、質問されることをある程度、想定して答えを準備してくるからです。1つ質問をしたら、その答えに対してさらに質問をして掘り下げると、用意してきた答えではなく、応募者の心の声を聞くことができます。

 

 掘り下げ方としては、「〇〇についてもう少し詳しく聞かせてくれますか?」や「他にはありませんか?」というフレーズを使うと効果的です。また、質問は場当たり的にするのではなく、事前に準備しておきましょう。

 

 

>>>次ページにつづく

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につづく

 


●文/岡本文宏(おかもと ふみひろ)
メンタルチャージISC研究所株式会社代表取締役、繁盛企業育成コーチ
アパレル店勤務、セブンイレブンFC店経営を経て、2005年メンタルチャージISC研究所を設立。中小企業経営者、エリアチェーンオーナー、店長などに向けた小さな組織の人に関する問題解決メソッドや、スタッフを活用して業績アップを実現する『繁盛店づくり』のノウハウを提供している。『人材マネジメント一問一答』(商業界)、『店長の一流、二流、三流』(明日香出版)、『繁盛店のやる気の育て方』(女性モード社)など著書多数。
https://okamotofumihiro.com/

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