【事例】管理職抜擢に戸惑い。自信持てず不安を感じる日々/金融業・40代管理職Dさん
専門的知見が必要な部署の管理職に抜擢されたDさん。同僚が「自分の方が仕事がわかっているのに、なぜDさんが管理職になったのか分からない」という態度で接してくる。
Dさんは、同僚の言動にすっかり自信をなくし、自己肯定感も低くなってきている。そのため、最近では管理職としてリーダーシップを取ることはもちろん、この仕事を続けていくことに不安を感じることが多くなっている。
<セルフ・ストレスケアのポイント>
不安になる原因を書き出す
一度、不安などのネガティブ感情に心が支配されると、なかなか抜け出せなくなるものです。ですが、不安を「ネガティブな感情だから感じない方がよい」と決めつけないで下さい。否定しないで、「今、不安に感じているんだな」と受け止めましょう。
次に、不安になっている理由を考えてみることがお勧めです。重要なのは、書き出してみること。書き出すことで、不安を感じる原因を可視化するのです。
なぜなら、理由がはっきりしないから、なんとなく漠然と不安に感じるということがあるからです。心配なことを可視化することで、自分がどんなことを不安に感じているのかを理解し、その心配ごとに「どう対処したらよいのか」と気持ちを切り替えやすくなります。
不安を解決するために行動していく
不安の原因を可視化したら、次は、その解決策を考えてみます。Dさんの不安の原因は「自分に専門的知識が少なく、自信が持てない」ことでした。同僚の言動にもDさん自身が過剰に反応してしまい、「自分は管理職に向いていない」とまで考えていたのです。
さて、Dさんの場合、どんな解決策があるでしょうか。例えば、「専門知識に関する書籍や資料を読み、情報を収集する」、あるいは「専門知識に関しては、この業務に長く携わっている部下に頼ってみる」という解決策が思い浮かびます。
そして大切なことは、思いついた解決策を少しずつ実行するということです。この時点では、不安が解消したわけではありませんが、漠然と不安に感じていたときの気持ちを「100」とすると、解決策が思い浮かんだ時点で「80」くらいに減るのではないでしょうか。そして、具体的に行動していく中で、知識を身につけ、部下との関係性もよくなれば、さらに気持ちが楽になると思います。
不安な気持ちは放っておくと、どんどん大きくなっていき、あなたが飲み込まれてしまうこともあります。そうならないためにも、不安が大きくなる前に不安になる理由を考え、小さなことでよいので、解決のための一歩を考え行動に移していきましょう。
●文/�盒恐軾�(たかはし まさみ)
株式会社ココティアコンサルティング代表
大学卒業後、大手化学メーカー、外資系製薬会社勤務を経て、2013年にカウンセリングルームを開設し、心理カウンセラーとして独立。2017年、組織で働く人たちが心身共に健康で、イキイキと働ける職場づくりをサポートする株式会社ココティアコンサルティングを設立。所有資格は公認心理師、キャリアコンサルタント(以上、国家資格)、臨床心理士(公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会認定)など。
https://cocotia.co.jp/