ストレスをためやすい性格(1)せっかちで競争心が強い「タイプA」
同じ状況に置かれても、ストレスを感じやすい人とそうでない人がいます。仕事は長く続けていく活動ですから、思考や行動の工夫によって、できるだけストレスを減らしていくことが必要です。
ストレスをためやすい性格は2種類あると言われています。1つは「タイプA」と呼ばれる性格です。「タイプA」とは、せっかちで待つのが苦手、競争心が強くていつも時間に追われ、イライラしてしまう人です。アメリカの医師、M.フリードマンとR.H.ローゼンマンの研究によると、タイプAに当てはまる人は、逆のタイプ(後に説明する「タイプB」)に比べて虚血性心疾患に罹患する確率が高くなることが分かりました。ご自身がタイプAに近いかどうか、チェックしてみましょう。
<タイプA傾向チェック>
・いつも時間に追われている感じがある
・早口で話し、会話を早く切り上げようとする
・ゆっくりやっている人を見るとイライラする
・待つことが苦手。手持ちぶさたな時間も苦手
・同時に複数のことをやらなければ気が済まない
・自分と似た性格の人に会うと競争心が湧く
・なんでも数字、数値で評価しがちになる
(上記に多く当てはまるほど、タイプAに近いと考えられます)
ストレスをためやすい性格(2)人に気を使いすぎる「タイプC」
ストレスをためやすいもう1つの性格は、「タイプC」です。ネガティブな感情を出さず、控えめで、どんなときでも笑顔を絶やさない人です。アメリカの心理学者、R.テモショックの報告によると、メラノーマ(皮膚がん)患者にはタイプCに当てはまる性格の人が多いとされています。ご自身がタイプCに近いかどうか、チェックしてみましょう。
<タイプC傾向チェック>
・他人より劣っていると思うことが多い
・助けを求めたり、希望を伝えたりすることをためらう
・他人の意向や希望をいつも優先している
・頼まれたら、やりたくないことでも断らないほう
・どちらかというと元気がない
・怒りやネガティブな感情に気づかないことが多い
・いつもポジティブで「良い人」でいることが大事だと思う
(上記に多く当てはまるほど、タイプCに近いと考えられます)
●文/大美賀直子(おおみか なおこ)
メンタルケア・コンサルタント、公認心理師・産業カウンセラー
大学卒業後、出版社やIT関連企業などで編集職に携わった後、独立。心理学を学び、メンタルヘルスに関するさまざまな資格を取得。インターネットやテレビ、ラジオ、新聞、雑誌など、多様なメディアでメンタルヘルスやコミュニケーションに関する情報発信を行う。働く人の心の健康に関する造詣が深く、産業分野でのカウンセラー、研修講師として十数年の実績をもつ。所有資格は公認心理師、精神保健福祉士(以上、国家資格)、産業カウンセラー。著書に『大人になっても思春期な女子たち』(青春出版社)、『働く私の「自分時間」』(明日香出版社)、『どうして会社に行くのが嫌なのか』(アスキー新書)など多数。
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