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伝わる文章の書き方〜報告書からSNSまで〜

第2回「文章は、見た目と内容で決まる」

報告書やメール、SNSでの発信など、ビジネスは文章を書く機会にあふれています。さまざまな目的に合わせて、伝わる文章を書くために必要なことを解説します。(2024年6月4日)

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 伝わる文章とは、どのような文章をいうのでしょうか。端的に言えば読みやすく、わかりやすいことで、それは2つの要素から成り立っています。
 1つは、見た目です。読み手が最初に文章を見たときに「読みやすそう」とか「わかりやすそう」とかポジティブな印象を受けなければ、読み進めてもらえなかったり、内容が理解されなかったりする可能性があります。

 例えば、厚さ1センチの書類を渡されたり、スクロールしなければならないような長文のメールやチャットをもらったりしたら、目を通す気がなえませんか。あるいは、漢字が多かったり、改行や句読点がなかったりする文章は読みにくいと思いませんか。読む前にネガティブな印象を持ってしまうと、内容が頭に入りづらくなるものです。読み手が書類をみたり、メールを開いたりしたときに、「読みたくない」と思うことのないようにしなければいけません。


わかりにくかったら意味がない

 読みやすく、わかりやすい文章のもう1つの要素は、内容です。内容は、読み手に伝わらなければ意味がありません。最初に文章を見て「読みやすそう」と思っても、内容がわかりにくければ本末転倒です。わかりやすさを具体的にいうと、読み手が理解できる言葉や表現が使われているか、筋が通っているか、といったことです。読み進めるのに苦労したり、読んでも納得できなかったりすることのないようにしなければいけません。

 書くときのテクニックとして、よく「一文は短いほうがよい」と言われます。それは、長いと意味をくみ取りづらく、読み返さなければならない可能性が高いからです。短ければ意味が通じやすく、誤解されにくいです。

 ですが、一概に「短いほうがよい」ということではありません。長い文でも読みやすくて、わかりやすければ問題はありません。全体のボリュームにも同じことが言えます。仮に企画書が100ページになっても、提出のルールや規定に適っていて、必然性があるなら削る必要はないでしょう。でも、自分の思いや書きたいことだけを優先して100ページになったのであれば、削ったほうがいいかもしれません。企画書が100ページになるなら、100ページを読んでもらうための工夫が必要です。


読み手の時間を無駄にしない

 読みやすく、わかりやすい文章は、見た目と内容から成り立っています。どちらが欠けても成り立ちません。

・見た目(読む前のイメージ)
全体のボリューム、文字のサイズ、一文の長さ、配列、改行、行間、漢字の比率など

・内容(読んだときのわかりやすさ)
言葉や漢字の選び方、表現の仕方、構成、論理性など

 読んでもらうということは時間を割いてもらうことなので、読み手にストレスや負担をかけないようにしたいものです。読み手のことを考えて書くことが大切です。次回は、具体的なテクニックについて触れていきます。


★今回のポイント
・見た目と内容
・読むという行為は、時間を必要とする
・読み手のことを考える
 

●文/三宅航太
株式会社アイデム東日本事業本部 データリサーチチーム所属。
大学卒業後、出版社に入社。書店営業部を経て、編集部に異動。書籍の企画・制作・進行・ライティングなど、編集業務全般に従事する。同社を退社後、フリーランス編集者、編集プロダクション勤務を経て、株式会社アイデム入社。同社がWebサイトで発信する人の「採用・定着・戦力化」に関するコンテンツの企画・編集業務を担う。働き方に関するニュースの考察や労働法の解説、取材、企業事例など、さまざまな記事コンテンツを作成している。
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