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仕事に使える統計データ/深瀬勝範

第11回 今年の賃上げ率は「2.8%」前後?〜賃上げに関する統計データ〜

政府や調査機関などが発表している労働関係の統計データを中心に、データの見方や、仕事に生かすやり方を解説します。

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1.はじめに

 「春闘」が始まりました。
 昨年秋ごろから、政府は企業に対して積極的な賃上げを要請し、経営者の集まりである経団連は賃金水準の引き上げを容認するようなコメントを公表したことから、今回の賃上げ交渉に対する世間の関心は、大いに高まっています。

 ところで、これまでは何%ぐらいの賃上げが行われてきたのでしょうか。そして、この春には、どれくらいの賃上げが行われることになるのでしょうか。
 今回は、賃上げに関する統計データについて説明します。



2.賃上げに関する主な統計調査

 賃上げに関する統計調査の主なものは、[図表1]のとおりです。




 ,蓮賃上げ率・額以外にも、定期昇給・ベースアップの実施状況に関するデータも掲載されています。賃上げの状況について細かく調べたいときには、この統計調査の結果を使います。△猟敢困蓮大手企業の賃上げ結果を、いち早く(その年の7月末に)見ることができます。

 とい猟敢困蓮⊇嫺の実施期間中に、経団連(経営者側)および連合(労働組合側)が、加盟企業・労働組合の労使交渉の状況をウェブサイト上で公表するものです。他社の賃上げ要求に対する回答等を知りたいときには、このサイトを見るとよいでしょう。



3.「定期昇給」「ベースアップ」とは何か

 賃上げに関する統計調査では、「定期昇給」や「ベースアップ」という言葉がよく使われます。「定期昇給」とは現行の賃金制度の中で1年経過したことにより自動的に行われる賃金の増額を、「ベースアップ」とは賃金水準全体の引き上げを指す言葉です。

 例えば、24歳の従業員には24万円の賃金を、25歳には25万円…の賃金を支払っている会社があるとします。昨年24歳で24万円の賃金をもらっていた従業員は、今年は25歳になり25万円の賃金をもらうことになります。この1万円の賃上げが「定期昇給」です。

 ただし、物価が上昇している局面では、定期昇給が行われても、その金額で買えるモノは、1つ年上の先輩が前年に買っていた量よりも少なくなってしまいます。そこで、24歳の賃金を24.5万円、25歳を25.5万円にして、物価上昇に伴う賃金の購買力低下を防ぎます。このように賃金水準全体を引き上げる措置が「ベースアップ」です。([図表2]参照)

 従業員一人ひとりの賃上げ額は、定期昇給とベースアップの合計額となります。





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●深瀬勝範(ふかせ かつのり)
Fフロンティア株式会社代表取締役。社会保険労務士。1962年神奈川県生まれ。一橋大卒。大手電機メーカー、金融機関系コンサルティング会社、大手情報サービス会社を経て、独立。企業・公共団体の人事制度設計や事業計画の策定等のコンサルティング、人事労務専門誌などに寄稿も行っている。著書に「労政時報別冊 実践人事デ−タ活用術」(労務行政)。
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