【第32回】小さな事が大きな結果を生む「レバレッジ効果」
商談や接客時など、ビジネスシーンに応用できる心理学の知識を解説します。
レバレッジ効果とは?
レバレッジ効果とは「テコの原理を効かせる」ということです。他人の力を借りることで、自分の力以上の収益が期待できることをいいます。投資などで頻繁に使われますが、経営でも営業活動でもどう生かすかが重要な課題になっています。
●解説
レバレッジは投資やFXでよく使われる言葉です。例えば10万円の元金があったとします。10倍のレバレッジをかければ10万円×10=100万円あると同じように投資をすることができます。このようにすれば利益は10倍です。しかし忘れてはいけないのが、損失も10倍になるということです。
ビジネスでも同様です。プラスのレバレッジがかかれば、良い評判がどんどん広がっていきます。しかしマイナスのレバレッジがかかってしまえば、悪評もどんどん広がってしまうのです。
レバレッジを営業活動に応用してみましょう。他人の力を借りたことで、1つの小さな出来事が大きな結果につながったという経験があります。
営業マンとしてまだ経験が浅かったときです。先輩は2件のお客さまがダブってしまいてんてこ舞いです。先輩から、30分ほどお客さまの相手をするようにお願いされました。私はつたない知識で何とか説明し間を持たせていました。
お世話になっている先輩のお客さまです。必死に対応させていただきました。必死な姿勢が良かったのか、そのお客さまにはえらく気に入られたのです。その後も顔を合わすたびに声をかけていただくようになりました。
ある日、私は別のお客さまと商談中でした。このお客さまは5社以上の会社と競合しており、かなりの苦戦を強いられていたのです。お客さまは「これもオプションですか!?○○社は標準装備って言ってましたけど?」と痛いところを突いてきます。
あまり好意的ではなく汗をかきながらの商談でした。そこへ先ほどの先輩のお客さまが偶然通りかかったのです。そして私のお客さまに「この建物はいいですよ。それに菊原くんも一生懸命だし安心ですから」と言ってくれたのです。
第三者の客観的意見は営業マンの必死の説明の10倍も20倍も説得力があります。そのお客さまはそれ以降好意的になってくれ、そのまま話はうまく進み、めでたく契約になったのです。
私は先輩のお客さまに心から感謝しました。おそらくあの言葉がなければ他社で決まっていたでしょう。さらに契約を頂いたお客さまから2人のお客さまを紹介していただき、そのうち1件は契約となったのです。
初めは先輩のお客さまに対して精いっぱい接客する、という小さなことからでした。それが苦戦していた商談が契約となり、さらにそのお客さまから紹介をもらうというように広がり大きな結果につながりました。
もし《人のお客さまだから》と雑に接客していたら違う結果になったでしょう。小さな行動が大きな結果につながる場合もあるということを忘れないで下さい。
菊原智明●営業コンサルタント/関東学園大学経済学部講師。大学卒業後、大手住宅メーカーに入社し、営業部に配属。7年間のダメ営業マンから4年連続トップ営業マンへ。現在は【訪問しないで売る】営業コンサルタントと大学で学生に向け【営業の授業】をしている。著書に『訪問しないで「売れる営業」に変わる本』(大和出版)、『トップ営業マンのルール』(アスカビジネス)など多数。
http://www.tuki1.net/
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