株式会社エクストリーム/女性クリエイターの活躍推進で、会社を活性化
人材育成や働きやすい職場環境の実現などを目的した、組織活性化のための制度事例を紹介します。
「エンターテインメント系ソフトウェアの開発現場では、一般的に女性比率は約10%程度と言われていますが、弊社の場合、約30%ほどです。男性が活躍しがちな業界というイメージがありますが、元気のいい女性がたくさんいるので、積極的に活躍していただきたいと思っています」
そう話すのは株式会社エクストリームの伊東佑花さんだ。同社はエンターテインメント系ソフトウェア(オンラインゲーム、ソーシャルアプリ、携帯電話向けコンテンツ等)の開発・運営等を行っている。自社でコンテンツを開発する一方、所属するクリエイターやエンジニアを取引会社に常駐し、プロジェクトにアサインすることも多い。そのため、クリエイターやエンジニアのプロダクションとしての機能も持つ。
『JULIA◇Project』のプロジェクトリーダー 伊東佑花さん
女性が働きやすい環境
女性が働きやすい職場というと出産、育児の福祉的な補助を考えがちだ。しかし、同社の試みは、それだけにとどまらない。「企業で女性が働き続けていくためには、出産や育児に関する制度ももちろんですが、他にもクリエイターやエンジニアの女性が『あったら嬉しい』制度を確立させていきたいと考えています。例えば、毎日のデスクワークで疲れた体を癒すマッサージ制度だったり、パソコン眼鏡の支給であったり、更にはクリエイティブな視野を広げる目的での芸術鑑賞補助金手当等です。このように業界特有の制度を設けることで女性社員の採用に繋げ、定着率のアップを図ります」
21世紀職業財団発表の「平成17年度 女性労働者の処遇等に関する調査」によると、結婚出産後の就業継続のために必要なこと、会社に希望することのトップは「子育てしながらでも働き続けられる制度や職場環境」(51.7%)だが、次いで高いのが「やりがいが感じられる仕事の内容」(50.5%)である。
やりがいを求めているということは、言い換えれば積極的に仕事をしたいという意思の表れだ。その気持ちを吸い上げることは、性別に関係なく、人材育成においても重要なことといえる。
「当社では今回、女性のみで構成されたプロジェクトチームを作りました。女性クリエイターやエンジニアがステップアップしていける環境と仕組みを整備し、それを個々のワークライフバランスに対応させていきたいと考えています。キャリアアップを目指す女性、バランス良く働きたい女性、家庭を優先させて働きたい女性。プライオリティに違いがあって当たり前です。それぞれの活躍の場を増やしていくことが、本プロジェクトの目的でもあります」
そのプロジェクトが『JULIA◇Project(ジュリア・プロジェクト)』だ。「JULIA」とは、J(jewel=宝石)、A(ability=才能)、A(actress=女優)を組み合わせて作った言葉である。女性の積極採用、女性管理職の養成、女子会制度の充実、女性向けサービスの企画・開発・運営、女性向けの福利厚生の充実などを推進するプロジェクトだ。伊東さんはそのプロジェクトリーダーを務めている。 女性社員の採用については、2015年3月期(2月末)の83人から、2016年3月期には130人程度まで増やす計画である。この数字は、比較的女性が多い同社においても、かなり積極的な数字だという。
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●株式会社エクストリーム所在地/東京都豊島区池袋2-51-13創立/2005年5月6日従業員数/312人(2015年5月末現在) ※契約社員・アルバイト含む資本金/2億7604万6800円事業内容/エンターテインメント系ソフトウェアの開発、キャラクター事業、クリエイター&エンジニアのプロダクションとして人材の提供ホームページ/ http://www.e-xtreme.co.jp
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