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誰に対しても応用できる仕事の教え方について、わかりやすく解説します。教え方を学ぶことは、人材育成や定着の施策を考える上でも有効です。
前回、新たに職場に参加する人にとって、「いざなう人」が重要な役割を持っていることをお伝えしました。今回は、いざなう人以外で重要な2人の他者についてです。
「異質の他者(1)」と「同質の他者(2)」
新人に「いざなう人以外で誰に支援をしてもらったか」を聞いた調査で、「異質の他者(1)」と「同質の他者(2)」の存在が浮かび上がってきました。
「異質の他者(1)」とは、いざなう人とは考え方が違う・部署が違う人で、皆さんとはまた違った経験を積ませてくれます。そして自部署以外の人を紹介してくれるので、教わる人にとっての人脈が大きく広がるきっかけにもなります。
一方、「同質の他者(2)」は年が近い・席が近い・性別が一緒など、教わる側と同質の人で、「いざなう人」に話しづらいことも言いやすいでしょう。これに関して、自分が俳優だったときのことを思い出してみても、なるほどなあと思うことがありました。
有名な俳優さんのお話を聞く機会があったときには、本当に勉強させてもらいました。半面、自分のお芝居についての悩みって、あまりにもちっぽけなんじゃないか、笑われるんじゃないかと思って相談できませんでした(そこまで話す時間が取れないというのもありましたが)。その点、自分よりちょっとキャリアが上の俳優さんは、兄貴的な存在で相談しやすかったのを覚えています。
「異質の他者(1)」から教わるデメリット
「異質の他者(1)」から教わる際のデメリットが1つあります。それは、考え方が違うので「いざなう人」と「異質の他者(1)」では、言っていることが違うという場面が出てきてしまう可能性があるということです。
例えば、QCD(Quality/品質、Cost/費用、Delivery/納期)で言うところの「納期」をいざなう人が重視しているのに、「異質の他者(1)」が「品質」が大事だよと教わる側に伝えたら、混乱してしまいます。ですが、指導方法は違っても、成長してほしいと願う気持ちは同じなはずです。混乱を防ぐためにしてほしいことは「ゴール」を設定し、それを全員で合意することです。
育成ゴール
「ああしろ」「こうしろ」と言っていることが違っても、「あなたが1年後に目指すべきゴールはここ!」と示してあげれば、教わる側の人はぶれなくなります。育成ゴールの設定は3 つのセクション、「Attitude/態度・姿勢、Skill/技術、Knowledge/知識」から考えてみてください。
次回は、目指すべきゴールを決めたら、そこに向けてどんな仕事を与えていけばいいのかをお伝えします。
●文/林 博之(はやし ひろゆき)
ラーンフォレスト代表。俳優活動、ビルメンテナンス会社勤務を経て、行政書士の資格を取得。中小企業のサポートを行いながら、さまざまな研修を実施。認定SPトランプファシリテーター。
http://learn-forest.com/
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