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誰に対しても応用できる仕事の教え方について、わかりやすく解説します。教え方を学ぶことは、人材育成や定着の施策を考える上でも有効です。
前回、自分本位の教え下手は「情報・知識」をペットボトルの水に例えた場合、「バシャバシャ!」と一気に相手にぶちまければ教えたことになると思っている、とお伝えしました。ですが、その水を教わる側が受け止められなければ、教えたことにはなりません。では、相手本位の教え上手はどうしているのでしょうか。
相手のコップの大きさを計る
相手本位の教え上手は、ペットボトルの水を注ぐ前に、まず相手のコップの大きさを計ろうとします。コップの大きさを計るというのは、これから教える事柄について、相手が「どのくらい知っているのか」を確かめることです。「どのくらい知ってる?」と相手のコップの大きさ(知識量)を計り、その上でペットボトルの水(情報)をあふれないように小分けにして注ぎます。
注意しなければならないのはペットボトルの水は目に見えますが、「相手がどこまで理解したか」は見えないことです。ですから、相手の理解度を確認するために、「口で言わせる」「手で書かせる」「体でやらせる」の3つを意識すると良いですね。
つまり、「今伝えたことを復唱してみて」「メモを取っておいてね」「じゃあ、実際に操作してみようか」などと、具体的な行動をとらせることをおすすめします。
はく・すう・はく
「情報・知識」を別の見方をしてみます。「情報・知識」を呼吸に例えると、教わる側は「情報・知識」を「スゥー」と吸っている状態です。自分本位の教え下手な人は、教わる側にずっと吸わせ続けます。ですが、ずっと吸い続けるわけにはいかないですよね。ですから、相手本位の教え上手は、こちらの情報を吸わせる前に「ハァー」と吐かせます。その上でこちらの情報を「スゥー」と吸わせ、最後にもう一度「ハァー」と吐かせます。
どのくらい知っているのか吐かせて、その上でこちらの情報を吸わせ、最後にもう一度確認のために吐かせます。教える際には「はく・すう・はく」を意識してください。
「分かった?」と確認しない
自分本位の教え下手は、相手の理解度を確認する際に「分かった?」と聞いてしまいます。教わる側は「分かった?」と聞かれたら、2つしか返事ができません。それは、「はい」と「はあ…」の2つです。「分かった?」というイエスかノーかの質問をされたら、たとえ分からなくても「分かりません」とは言えませんよね。ですから、先ほどお伝えした、「口で言わせる」「手で書かせる」「体でやらせる」で理解度を確認してください。
●文/林 博之(はやし ひろゆき)
ラーンフォレスト代表。俳優活動、ビルメンテナンス会社勤務を経て、行政書士の資格を取得。中小企業のサポートを行いながら、さまざまな研修を実施。認定SPトランプファシリテーター。
http://learn-forest.com/
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