独立行政法人 労働政策研究・研修機構は、「社会保険の適用拡大への対応状況等に関する調査」(企業郵送調査)及び「働き方に関するアンケート調査」(労働者Web調査)の結果を発表した。
本調査は、社会保険の適用拡大への法改正に伴い、その対応状況・意向等について把握するとともに、次期年金制度改革に 於ける引き続きの適用拡大に向けた検討に資するため、厚生労働省年金局年金課からの研究要請に基づき実施したもの。
実査期間:(企業調査)令和4年11月11日〜令和5年1月3日、(労働者調査)令和4年11月22日〜12月2 日
調査対象:(企業)16 産業(農林漁業,公務除く)に於ける、全国の雇用者規模5人以上の企業2万社(有効回答数8,697社)、(労働者)国内に居住する18〜69歳で学生を除く10,000人
【結果のポイント】
<企業調査結果>
◆2022 年10月より適用拡大対象となった企業で、要件を満たす短時間労働者(対象者)が「いる」 場合(n=630 社)に、新たに厚生年金・健康保険が適用されるのに伴い、対象者と概ねどのような方針で調整を行ったかについて、「できるだけ、適用する」が55.1%、「どちらかといえば、適用する」が7.6%で、「中立(短時間労働者の意向にまかせる)」が34.3%等となった
◆2024年10月より適用拡大される見通しとなっている企業で、要件を満たす短時間労働者(対象者)が「いる」場合(n=540 社)に、新たに厚生年金・健康保険が適用されるのに伴い、対象者と概ねどのような方針で調整を行うかについて、「できるだけ、適用する」が28.1%、「どちらかといえば、適用する」が12.0%で、「中立(短時間労働者の意向にまかせる)」が 22.4%等となった
<労働者調査>
◆2022年10月より適用拡大対象となった企業に勤務する短時間労働者(n=1,163人)を対象に、自身の働き方や社会保険の適用状況の変化について尋ねると、「厚生年金・健康保険が適用されるよう、かつ手取り収入が増える(維持できる)よう、所定労働時間を延長した(してもらった)」(6.4%)と「所定労働時間はそのまま、厚生年金・健康保険が適用された」(14.5%)が合わせて21.0%に対し、「厚生年金・健康保険が適用されないよう、所定労働時間を短縮した(してもらった)」は 12.0%等 で、「厚生年金・健康保険は適用されておらず、働き方にも変化はないが、今後については検討している」が21.0%等となった
●「社会保険の適用拡大への対応状況等に関する調査」及び「働き方に関するアンケート調査」結果 PDF