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事例で考える困ったときのマネジメント対応/山田真由子

第6回「介護と仕事の両立をどうするか?」

働き方や価値観が多様化する中、マネジメントは個別対応が求められています。さまざまな事例から、マネジャーに求められる対応を解説します。(2024年9月17日)

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 高齢化社会が進む中、仕事を持つ多くの人が親の介護との両立に悩んでいます。介護は突然やってくることが多く、仕事への影響は避けられません。今回は、介護と仕事の両立に悩む人に「どのように対応すべきか?」を考えてみましょう。





■今回の事例
 課長のAさん(36歳男性)は、部下のBさん(43歳女性)から「親のことで相談したいことがあるので、少し時間をいただけませんか?」と言われ、面談の時間を設けました。
Bさんは一人っ子で、遠方に住む父親(78歳)が「要介護1」の認定を受けています。母親(73歳)は長い間、父親の介護をしていましたが、最近転倒して脚が悪くなり、母親自身も「要支援1」になりました。

 この出来事がきっかけで、Bさんは両親の生活について深く考えるようになりました。両親はそろって「長年住み慣れたこの場所を離れたくない」と話しているようです。Bさんは介護と仕事の両立に悩み、Aさんに相談することにしたのです。Aさんは、どのようにしてBさんの問題に対応すればよいでしょうか。


■解説
介護離職を防ぐために

 まず第一に、介護離職を防ぐことが重要です。介護離職とは、親の介護のために仕事を辞めることを指します。このような事態を防ぐため、企業には介護と仕事を両立できる環境を整えることが求められます。

 Bさんは親の介護が必要になり、仕事と介護の両立が難しいと感じています。A課長は、まずBさんの話をじっくりと聞き、Bさんの不安や悩みを理解することから始めましょう。そして、Bさんが介護と仕事を両立できるように考えていく必要があります。


両立できるようにするには?

 介護と仕事を両立できるようにするためには、会社の体制と職場の環境の整備、それから公的なサポートの活用の3つが必要です。それぞれについて、述べていきます。

(1)会社の制度を確認する
 まず自社に、介護のための休暇や休業などの「制度があるかどうか」を確認しましょう。要介護状態にある家族の介護をするために休暇や休業を取ることは、法律で定められた権利です。そのため、要件を満たす労働者が申し出たとき、会社は拒否できません(育児・介護休業法16条の6第1項)。仮に介護休暇や介護休業の制度がなかったとしても、原則として取得できます。
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●文/山田真由子(やまだ まゆこ)
山田真由子社会保険労務士事務所代表。特定社会保険労務士、公認心理師、キャリアコンサルタント。26歳のときに3度目の受験で社会保険労務士に合格。さまざまな業種にわたり、約15年のOL 生活を経て、2006年12月に独立開業。現在、「誰もが輝く職場づくりをサポートする」をミッションとして活動している。経営者や総務部担当者などから受けた相談件数は延べ10,000件以上、セミナー登壇は1,500回以上を数える。著書に『外国人労働者の雇い方完全マニュアル』(C&R研究所)、『会社で泣き寝入りしないハラスメント防衛マニュアル部長、それってパワハラですよ』(徳間書店)、『すぐに使える!はじめて上司の対応ツール』(税務経理協会)。
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