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パートタイマー白書や学生を対象にした就職活動に関する意識調査など、当研究所が独自で行っている調査から見えてくることを考察します。
女性の継続就業率は大幅に上昇
先日、国立社会保障・人口問題研究所から「出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」が発表されました。それによると、結婚退職、出産退職する妻は減少し、第1子出産後の継続就業者の割合は2005〜09年の29.0%から2010〜14年の38.3%へと、10ポイント近く上昇しています。結婚前、妊娠前に就業していた妻に限定すると、4割前後で推移してきた継続就業率は53.1%となり、大幅な上昇です。多くの企業で子供を抱えたワーキングマザーが増え、そのマネジメント機会も増えているのではないでしょうか。
法整備や世間の風潮もあり、以前に比べれば出産を経て職場復帰がしやすい環境になっています。しかし、実際にはまだまだ問題は多いようです。『平成28年版パートタイマー白書』からは、職場復帰した後、短時間勤務者とフルタイム勤務者との間で軋轢が生じていることが明らかになりました。
時短 vs フルタイム それぞれの悩み
白書で実施した調査によると、短時間勤務で働く際に、「負い目や悩みがある」と回答した女性正社員(※1)は78.4%と8割近くに上ります。具体的には、以下の内容が上位に挙がりました(図1)。
※1出産後や育児休業復帰後に正社員として“短時間勤務”をしたことがある者、または育児のため残業が免除されている者
図1
1位:急に休みを取ることが発生する(52.8%)
2位:皆が働いている中で、先に帰りづらい(38.3%)
3位:他の人に業務のしわ寄せがいっている(30.6%)
4位:時間が制約される分、なかなか仕事が進まない(29.2%)
ここからは、“制約された中で自身のパフォーマンスが発揮できない”といった自分目線の悩みよりも、“職場や同僚に迷惑をかけている”という申し訳なさや後ろめたさが前面に出ています。
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●文/古橋孝美(ふるはし たかみ)
2007年、株式会社アイデム入社。求人広告の営業職として、人事・採用担当者に採用活動の提案を行う。2008年、同社人と仕事研究所に異動。「パートタイマー白書」、新卒採用・就職活動に関する調査等のアンケート調査を担当。雇用の現状や今後の課題について調査を進めている。2015年出産に伴い休職、2016年復職。
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