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人事評価制度を作る上での基本的な考え方から、評価シートの作成方法、実際の運用までを分かりやすく解説します。
人事評価は「そもそもうまくいかないもの」
前回、人事評価がなかなか効果を発揮できない原因を、「5つのうまくいかない原因」としてお伝えしました。
(1)目的がはっきりしていない
(2)効率を求めすぎている
(3)慣れていない
(4)力の入れどころを間違えている
(5)そもそもうまくいかない
今回は「(5)そもそもうまくいかない」に着目して、お伝えいたします。「そもそもうまくいかない」というのは、どういうことでしょうか。これは、「緊急度が低いために、大抵の人は後回しにしてしまうから」ということ。下記のようなマトリックス(縦横図)をご覧になったことがあるでしょうか?
これは、よく仕事の優先順位を考える際に用いられる図です。その仕事の「重要度」はどれくらいなのか、「緊急度」はどれくらいなのか。
では、「人事評価を運用する」という仕事は、この表のどこに位置するものでしょうか。このような質問をすると、「重要度は高いが、緊急度はないかな」と答える方がほとんどです。まさにそのとおりで、重要なのは間違いないのですが、決して緊急なものではありません。
今日中に見積もりを出さなければいけない、明日までに経費精算をしなければならない…、目の前に緊急な仕事はたくさんあります。それに比べて、人事評価制度に関わる業務は、評価シートの提出時は緊急度が高まりますが、それ以外のときは緊急度の高い日々の業務に負けてしまうのです。
本来は「第1象限→第2象限→第3象限→第4象限」という数字の順に優先順位が高いのですが、実際は「第1象限→第3象限→第2象限→第4象限」の順に仕事をしてしまいます。いつまでたっても第2象限の仕事には着手できず、気がついたらすでに期末になっていた、ということになってしまうのです。
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●文/榎本あつし
社会保険労務士。株式会社MillReef代表取締役。一般社団法人日本ABAマネジメント協会代表理事。ABA(応用行動分析学)を用いた組織コンサルティングを行っている。著書に『人事評価で業績を上げる「A4一枚評価制度」』、『自律型人材を育てる「ABAマネジメント」』(アニモ出版)。
http://millreef.co.jp/
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