ワンオペのフランチャイズオーナー
先日、髪を切ってもらったときになじみの美容師さんが、仕事にあぶれたら近所にできた小型スーパーチェーンで働くといっていました。理由は、時給の高さです。その小型スーパーチェーンの時給は1400円超で、深夜に至っては1,700円にもなるそうです(東京都心部の話です。現在、東京都の最低賃金は1,226円)。
また、神奈川県でフランチャイズ店を経営する知人から、毎年上昇している最低賃金の対応に苦慮しているという話を聞きました。店は必要最小限の人員で運営し、人が少ない時間帯は自分1人で回しているようです。
2021年度以降、最低賃金は毎年過去最高額を更新しています。2025年度は全国平均で1,121円となり、2024年より66円上昇しました。また、春闘でも大企業の賃上げ率は2年連続5%を超え、今年も前年並みの賃上げが実施される見方が強くなっています。今年の春闘に向けて、経団連は実質賃金のプラス転換を狙うため、基本給を底上げするベースアップを重視する姿勢を打ち出しています。厚生労働省の毎月勤労統計によると、実質賃金(物価変動を考慮した購買力を示す賃金)は11カ月連続でマイナスです。
近年、大手を中心に賃上げを実施する企業が増えています。背景には人材の確保や物価高対策などがあります。中小企業でも賃上げするところは増えていますが、防衛的賃上げ(業績が改善しなくても人材確保のために賃上げをすること)が多いようです。全国の中小企業が加盟する日本商工会議所が実施した調査(商工会議所LOBO調査2025年12月)によると、2026年度の正社員の賃金について、賃上げを実施・予定する企業の約7割が「防衛的賃上げ」を迫られていることが明らかになっています。
2025労働力人口、初の平均7,000万人超
止まらない少子化や労働者の高齢化、働き方の多様化が進む中、企業にとって人材確保は大きな課題となっています。ですが、日本の生産年齢人口(15〜64歳の人口)は1995年をピークに減少しているものの、労働力人口(失業者も含めた働く意欲のある人の数)は増えてきました。背景には女性や高齢者、外国人の就業拡大があります。都市部の企業では育休から復帰する女性や65歳までの雇用確保義務などで働く高齢者が増え、製造業やサービス業、小売業、建設業などを中心に外国人労働者は珍しくなくなりました。
労働力人口は、働いている就業者数と仕事を探している失業者数の合計で、働く意欲がある人全体を示しています。6,565万人だった2012年以降、増加傾向で推移し、2019年以降は6,900万人を上回る水準になり、先日発表された2025年平均は7,004万人で初めて7,000万人を超え、3年連続で過去最多を更新しました(【総務省統計局】労働力調査2025平均結果)。
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●文/三宅航太
株式会社アイデム メディアソリューション事業本部 データリサーチチーム所属
大学卒業後、出版社に入社。書店営業部を経て、編集部に異動。書籍の企画・制作・進行・ライティングなど、編集業務全般に従事する。同社を退社後、フリーランス編集者、編集プロダクション勤務を経て、株式会社アイデム入社。同社がWebサイトで発信する人の「採用・定着・戦力化」に関するコンテンツの企画・編集業務を担う。働き方に関するニュースの考察や労働法の解説、取材、企業事例など、さまざまな記事コンテンツを作成している。