「人材の活用」「従業員の教育」「人事制度」等について、事例満載の記事や専門知識が深まるコラム等を展開。自社の活性化や雇用管理のヒントに!

「経営者やパート従業員の意識」等について、さまざまなデータを作成。労働市場の現状が分かります。

*一部記事の閲覧および機能をご利用いただくには、会員登録(無料)が必要です。会員登録はこちら

「平均時給 の検索」「時給の平均や動向」等について、データを作成。労働市場の現状が分かります。

*一部記事の閲覧および機能をご利用いただくには、会員登録(無料)が必要です。会員登録はこちら

アイデム人と仕事研究所では、「ビジネスマナーのブラッシュアップ」「新入社員の戦力化」「職種別・階層別の知識・スキルアップ」等につながるセミナーを開催しています。

*一部記事の閲覧および機能をご利用いただくには、会員登録(無料)が必要です。会員登録はこちら

ココロの座標/河田俊男

第119回「なぜ、人は嘘をつく?」

人の心が引き起こすさまざまなトラブルを取り上げ、その背景や解決方法、予防策などを探ります。(2026年2月17日)

< 1 2 >
 身近に、噓ばかりつく人はいないだろうか。日常会話で笑わせようとして、嘘を言うこともあるだろう。しかし、嘘ばかりつかれるとストレスになる。職場にそういう人がいたら、業務に支障をきたすこともあるかもしれない。


嘘ばかりつく女

 42歳の真由美は週3日、ディスカウントスーパーのパートとして働いていた。彼女は同僚に「仕事をしていない日は何をしているの?」と聞かれると、「スイスの建築会社から設計の仕事を請け負っていて、それをしている」とか「フランス語の翻訳をしている」などと言った。同じことを聞かれても毎回、答えが違うので、同僚たちは嘘だと思っていた。

 また、学歴について聞かれると「フランスのソルボンヌ大学を卒業した」とか「アメリカのスタンフォード大学を卒業した」などと言った。そして「子供の頃、スペインに住んでいた」とか「ドイツに住んでいる叔母から、来ないかと誘われていて」などと言い、周囲を困惑させていた。

 彼女の言うことは「何が本当で、何が嘘なのか?」、分からなかった。周囲は彼女を「嘘つき」と呼んで嫌っていた。また、彼女は仕事でも嘘をついた。全員で回しているトイレ清掃を、やってもいないのに「やりました」などと嘘をつくのだ。
 職場で、彼女の嘘は大きなストレスになっていたが、人手不足もあり、会社は彼女に辞めてもらうことは考えていないようだった。また、彼女は嘘に対する罪悪感がなく、どう対処すればいいのか、周囲の人は途方に暮れた。





嘘は自分を守るため?

 以前、真由美は帰宅途中に男性に後をつけられた経験があった。そのときから、住んでいる場所を聞かれると嘘を言うようになった。やがて、それがエスカレートし、学歴や育った場所、父親の職業など、さまざまな嘘をつくようになった。ある日、彼女は職場で「父親は一部上場企業の社長をしていた」などと言って、周囲を驚かせた。当初、彼女の嘘は自己防衛が目的だったが、いつしか承認欲求を満たすものに変質していったようだ。

 真由美の嘘は、病的な虚言の可能性があり、背後には人格障害があるかもしれない。自分を誇示し、注目されようとするなど、軽い自己愛性人格障害や演技性人格障害、妄想性人格障害などの人格障害が重なっていることも考えられる。プライドを高く保っていたいという欲求もあるようだ。

 また、彼女は嘘をつく衝動を制御できないのかもしれない。通常の精神状態であれば、嘘がばれたら社会的な信用を失うことが分かるはずだが、彼女はそれを理解していない可能性がある。そうなると、社会脳の働きが低いことも考えられる。


人はだまされやすい

 人には、「見たいものを見て、信じたいものを信じる」という確証バイアスという認知バイアスがある。自分にとって都合のいい情報だけにフォーカスし、それ以外の情報は軽視しようとする傾向のことだ。

 また、嘘でも繰り返し話されると、本当のことのように感じてしまうという。人は物事を理解しやすいように理解したい傾向があるので、自分なりに嘘を信じてしまうのだ。できればストレスを感じず、無難な人間関係を保ちたいという人の思いが、嘘にだまされやすい傾向を作っているのかもしれない。

 ある研究によると、嘘をつく人は自分のついた嘘に心を奪われやすく、ネガティブな考えを抱きがちで、人生や人間関係の満足度が低いことが明らかになった。また、自己肯定感が低く、みじめさや後悔、不安、恥、怒りなどというネガティブな感情を持っている。彼らは安心感や幸福感、誇りといったポジティブな感情が普通の人より少ないので、少しでも心を満たそうとして嘘をつくようだ。
※次ページ以降の閲覧には、会員登録(無料)が必要です
<会員サービスのご案内はコチラ>


●文/河田俊男(かわだ としお)
1954年生まれ。心理コンサルタント。1982年、アメリカにて心理療法を学ぶ。その後、日本で心理コンサルティングを学び、現在、日本心理相談研究所所長、人と可能性研究所所長。また、日本心理コンサルタント学院講師として後進を育成している。翻訳書に「トクシック・ピープルはた迷惑な隣人たち」(講談社)などがある。
< 1 2 >

この記事のキーワード

クリックすることで関連する記事・データを一覧で表示することができます。

一覧ページへ戻る

2ページ目以降をご覧になるには、会員ログインが必要です。
会員登録(無料)がお済みでない方はこちら

会員登録(無料)はこちら

その他のコラム記事を見る

人気記事ランキング

マンガ・ワーママ人事課長キノコさん

[【第96回】病気→戦力外は経営リスク 「治療と仕事の両立支援」が勝つ時代に]
難しい労働関連の法律や、雇用や働き方に関する社会の動きなどを、親しみやすいマンガで分かりやすく解説します。

口下手の人のためのトークテクニック/桑山元

[相手のニーズを引き出す「相棒メソッド」]
わかりやすく話すためのテクニックや考え方、トークスキルを上げるヒントなどをお伝えします。

ニュースPickUp

[新人・若手の育成課題「育てても辞める」49.4%、飲食店向けカスハラ対策、小規模事業場ストレスチェック]
人事労務関連のニュースから、注目しておきたいものをピックアップしてお伝えします。
注目のコンテンツ

人と仕事研究所Facebook