また、独立前に数カ月ほどお世話になった企業では、毎日、細かな日報の提出が課せられていました。しかしながら、上司から日報に対するフィードバックは一度もありませんでした。その後、日報を書くことに意味を感じなくなりました。
今では、AIを使えば、体裁の整った文章を瞬時に作れます。だからといって、誰も目を通さない書類を作成させ続けてよいわけではありません。そもそも報告書自体が必要なのかどうかを見直すことが大切です。
報連相の質を高める3つのポイント
ムダな報連相をやめ、意味のある報連相に切り替えるには、まず目的を明確にして、部下と共有することが大切です。例えば、売上報告は、数字を共有するためだけのものではありません。目標との差を確認し、次に何をするのかを考えるために行うものです。クレームやミスの報告も、同じことを繰り返さないために原因を把握し、改善策を考えるために行うものです。目的が共有されていれば、報連相の質は高まります。
報連相を行うツールにも工夫が必要です。例えば、Web上の登録フォームなどを使い、入力項目を絞れば、短時間で必要な情報だけを報告できるようになります。受け取る側も確認すべきポイントが明確になるため、内容を素早く確認できます。また、情報の見落としを防ぎやすくなります。
スタッフからの報告書には、少しでよいのでフィードバックコメントを残しましょう。そうすれば、上司に報告、連絡したことをきちんと受け止めてもらえていると思えます。個別ミーティングや普段の会話の中で内容に触れることも大切です。書かれていた情報がどう活用されたのかを伝えれば、スタッフは「報告する意味」を実感できます。

大切なのは、報連相を増やすことではありません。「何を共有すべきか」「いつ伝えるべきか」「どの方法で伝えるのがよいか」を整理することです。ムダな報連相を減らし、必要な情報が、必要な人に、必要なタイミングで届くようにすることが、職場に求められる報連相のあり方なのです。
●文/岡本文宏(おかもと ふみひろ)
メンタルチャージISC研究所株式会社代表取締役、繁盛企業育成コーチ
アパレル店勤務、セブンイレブンFC店経営を経て、2005年メンタルチャージISC研究所を設立。中小企業経営者、エリアチェーンオーナー、店長などに向けた小さな組織の人に関する問題解決メソッドや、スタッフを活用して業績アップを実現する『繁盛企業づくり』のノウハウを提供している。『リーダーの任せる技術』(あさ出版)、『仕事のできる人を「辞めさせない」15分マネジメント術』(WAVE出版)、『人材マネジメント一問一答』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『店長の一流、二流、三流』(明日香出版)など著書多数。
https://okamotofumihiro.com/
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