部下の抱え込みを防止する
上司は部下の状態を観察し、日々の変化に敏感になることが大切です。声に覇気がない、顔色が優れない、ため息が増えたなど、普段と違う様子が見られたら、「何か抱え込んでいることはない?」と声を掛けましょう。そして、必要に応じて、個別に話をじっくり聞く機会を設けるようにしましょう。
お薦めは、個別ミーティングを定期的に実施し、部下の話を聞く機会を設けることです。悩みを抱えていても、表面的には普段と変わらない部下もいます。そうすると、上司としては、心身の変化に気づけない場合もあり、最悪のケースとなるまで放置してしまいかねません。できれば、2週間に1回、少なくとも1カ月に1回、15分でよいので部下の話しを聞く機会を持ちましょう。
個別ミーティングで、仕事量が多くて疲弊していると分かれば、業務が集中し過ぎていないかを把握し、業務量をコントロールします。人間関係の問題で悩んでいるのなら、チーム編成を見直したり、配置転換を行うこともできます。部下が一人で抱え込んでいる悩みが何かを把握できれば、問題が大きくなる前に解消すれば、やる気低下、離職防止ができます。

また、上司自身の抱え込みを防止することも大切です。部下の管理だけを行うマネージャーは少なく、営業部門であれば、自らも予算を持つプレイングマネージャーが大半でしょう。安心して任せられる部下がいなかったり、部下が忙しそうに見えたら、なかなか仕事を任せることができず、なんでも自分だけでやってしまうことになりがちです。
ただ、上司が目の前の業務をこなすだけとなると、チームの舵(かじ)取りをうまくおこなうことができなくなります。そうならないためには、まずは、任せられるように、部下を育てることを優先させます。部下が育てば、一つずつ、抱えていた業務を渡していきましょう。
誰か一人の頑張りに頼るのではなく、チーム全体で仕事を担える状態をつくる。それが、「抱え込むことをやめる」マネジメントなのです。
●文/岡本文宏(おかもと ふみひろ)
メンタルチャージISC研究所株式会社代表取締役、繁盛企業育成コーチ
アパレル店勤務、セブンイレブンFC店経営を経て、2005年メンタルチャージISC研究所を設立。中小企業経営者、エリアチェーンオーナー、店長などに向けた小さな組織の人に関する問題解決メソッドや、スタッフを活用して業績アップを実現する『繁盛企業づくり』のノウハウを提供している。『リーダーの任せる技術』(あさ出版)、『仕事のできる人を「辞めさせない」15分マネジメント術』(WAVE出版)、『人材マネジメント一問一答』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『店長の一流、二流、三流』(明日香出版)など著書多数。
https://okamotofumihiro.com/
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