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AI時代の採用面接メソッド〜フリートーク面接からの転換〜(曽和利光)

面接でヒトを見抜けるか?

採用面接で、応募者の中から「自社に合った人をどう見極めるか?」について、実践的な方法や企業が考えておかなければならないポイントを解説します。(2026年10月1日)

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それでも面接をやる4つの理由

 
では、採用選考において、「面接などやめたほうがよいのか?」といえば、そうではありません。面接には、他の選考手法にはできないことがあるからです。

 1つは、事実を探索的に集めることです。相手が「思っていること」ではなく「やってきたこと」を、具体的な言葉が出るまで丁寧に聞いていく。そこから人となりを推定する。これはインタラクティブな会話でしかできません。





 2つ目は、相手に自社を選んでもらうことです。人手不足の今、面接は会社が一方的に選ぶ場ではなく、相手の「この会社に入りたい」という気持ちを育てる場でもあります。適性検査やAIには、口説くことはできません。

 3つ目は、基準の外にいる人を拾うことです。どんな採用基準も、絶対に正しいとは言えません。機械やAIは「決めた基準どおりに正確に」人を選びますから、基準が間違っていれば、間違った人を正確に採ることになります。人が面接をしていれば「基準には合わないが、考えてみればこういう人もうちに合うかもしれない」と気づけます。この「ゆらぎ」が、組織の多様性を生みます。

 4つ目は、責任感です。自分で会って自分で決めた人だからこそ、入社後に苦労していても「育てよう」と思える。会ったこともない人を機械の判断で採ると、うまくいかないとき「採用ミスだ」と他人事になりがちです。


面接担当者の役割は2つ

 採用面接の担当者の仕事を、大きく分けると「見極める」と「口説く」の2つになります。
 面白いことに、両方が得意な人はめったにいません。見極めが得意なのは、冷静に事実から判断できる人。口説くのが得意なのは、相手に好意を寄せ、心を動かせる人です。社長や役員といった偉い方は、成功体験から「こういう人がいい」というパターンで判断しがちで、見極めが上手とは限りません。

 一方で、会社への熱意は誰より高いので、口説くのは抜群に上手です。偉い方には質問をしてもらわず評価だけをしてもらう、あるいは最後の一押しをお願いする、という役割分担が有効です。
 面接は万能ではありませんが、なくてはならないものです。「面接では分からないことがある」と認めることが、実は面接の精度を上げる第一歩だと私は思っています。



●文/曽和利光(そわ としみつ)
株式会社人材研究所代表、人事コンサルタント
大学卒業後、リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスなど、さまざまな企業で採用や人事、組織開発の責任者を務める。2011年、人事コンサルティング会社、株式会社人材研究所を創業。大手から中小、外資系、ベンチャー、官公庁など、多くの組織に向けて人事や採用のコンサルティング・研修・講演を行っている。著書に『採用に強くなる』(日経文庫)、『人材の適切な見極めと獲得を成功させる採用面接100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)、『人事と採用のセオリー』(ソシム)など多数。
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