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シゴトの風景

第2回「働く理由」

働く個人にこれまでのキャリアや仕事観を聞き、企業が人を雇用する上で考えなければならないことを探る。

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●大久保智美さん(仮名・35歳・洋菓子店パート勤務)


  自分は何のために働いているのだろう。仕事をしていれば、誰しも自分に向けてそんな問いを発した経験があるはずだ。お金のため、家族のため、目的のためなど、答えはさまざまである。


  主婦の大久保智美さんは洋菓子店のパートを始めて6年になる。子供はなく、夫と2人暮らし。時給は900円で、週5日、8時から14時までの契約だが、今は人手不足のため、シフトが変わる17時まで残業になることもざらだ。
  仕事は、製造と販売である。当初は製造が中心という約束で焼き菓子の成形から焼き上げなどを主に担当していた。だが、今は販売中心だという。
「店は2人体制が基本です。店長はレジに立たず、ずっとお菓子を焼いています。なので、私は販売を担当することがほとんどです」
  ほぼ毎回残業がある勤務時間、販売中心の仕事内容。いずれも大久保さんは不満を感じている。


「残業が多いのは、人がいないからです。前もって辞める人がいることが分かっていたのに補充をしなかったんです。今も募集告知を出していますが、なかなか人が集まらないようです」
  大久保さんが同店で働き始めた理由は、何かを作る仕事がしたいと思ったから。その店のお菓子が特別好きだったわけではない。それでも仕事をするうちに興味がわき、3年前には調理師免許を取得した。




  これまでに店長は5人代わった。店の運営は、店長によって左右される部分が大きいという。
「例えば、シフトを決めるときですが、まずみんなで希望を出します。店長はそれをもとにシフトを組むわけですが、調整しなければならないことが出てきます。そのとき、シフトを変更できるかどうか、みんなに聞きますが、応じる人はだいたい決まっています。私は比較的、自由が利くほうなので応じるほうですが、そうすると本来自分が希望していたシフトが削られてしまうんです。無理にシフト変更に応じる必要はありませんが、結果的に変更できる人だけに負担を強いるわけですから、不公平な感じがしてしまいます」


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