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調査シリーズ「若年者の初職における経験と若年正社員の離職状況」発表（JILPT）

独立行政法人 労働政策研究・研修機構は、調査シリーズ��250「若年者の初職における経験と若年正社員の離職状況−第3回若年者の能力開発と職場への定着に関する調査―」を発表した。
 
当調査は、若者が安定的かつ健全にキャリアを形成できる職場・社会のあり方を探索するために実施したもの。本報告では同調査の結果を、以下の2点を目的として分析。第1「正社員以外の若者の能力開発に向けて正社員と正社員以外の若者とでは初職においてどのような経験の差があるのか探索」、第2「若年正社員の離職背景を検討するため、初職が正社員であった若者のうち調査時点まで勤続している者と離職した者の初職における経験を比較」。
2023年11月に、20〜34歳の高校卒〜修士修了の非在学者を対象にWebモニター調査を実施した（回収目標数8,072、回収有効票7,994）。
 
【結果のポイント】
◆初職が非正社員であった若者は、正社員であった若者と比較して職場での教育訓練や組織へのエンゲージメントが不足、長期間勤続しても成長につながりにくいことに加え、仕事の悩みの相談相手にも乏しい傾向。一方、初職が正社員の若者は非正社員の若者より職場トラブルを経験した者が多い。特に女性正社員にとって、職場が働きづらさや負担感を感じやすく、勤続に伴い家庭責任との両立が障壁となるなど、長期勤続しやすい環境が十分に整っていないことがうかがえる
 
◆新卒就職正社員の就職後3年以内離職率は、専門・高専・短大卒の男性を除くと長期的には低下傾向（第2回調査比）。一方で感染症拡大が始まった2020年春以降に卒業した世代では、初職入職直後に歓迎会など職場の仲間として受け入れられた実感を得る機会や対面で教育訓練を受ける機会が不足していることや、初任給額が上昇傾向にあることが、今後の離職傾向に影響をもたらす可能性
 
◆卒業後初職が正社員であった若者を、調査時点までに離職した人と勤続している人とに分けて初職の特徴を比較した。離職者の初職は教育訓練や職場コミュニケーションに乏しく、法令倫理違反や短期間に大量の離職が発生する傾向がみられた。さらに長時間労働者の比率が高く給与額も低い。様々な職場トラブルが発生する傾向もみられた。これらの特徴は第2回調査でも同様だが、第2回調査では女性にだけみられた、人手不足で業務がまわらない・休みをとれない状況が離職につながる傾向が本調査では男性にも確認されるようになった
 
 

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