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判例に学ぶ労使トラブルの処方箋/岡正俊

車通勤で事故、企業の責任は?(最高裁H元年.6.6判決)

近年、労働関係の訴訟は社会的関心が高まり、企業にとって労使トラブル予防の重要性は増しています。判例をもとに、裁判の争点やトラブル予防のポイントなどを解説します。(2024年1月27日)

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【事案の概要】
 本件は被告会社の従業員Aが、作業現場から被告会社の寮にマイカーで帰宅する途中に起こした事故について、被告会社の責任(民法715条の使用者責任、自賠法3条の運行供用者責任)が問題となった事案です。なお、訴訟の当事者としては、保険会社が原告となって被告会社に求償した事件です。

 1審の地裁判決(松山地裁S60.10.25判決)は被告会社の責任を否定しましたが、2審の高裁判決(高松高裁S61.9.30判決)はこれを肯定し、最高裁が上告を棄却したため、2審判決が確定しました。





【裁判所の判断】
 被告会社では作業用具等はすべて作業現場に用意され、現場作業員は工事現場へマイカーで通勤することを禁じられ、おおむね実行されていました。しかし、本件事故当時、業務用の車が不足しており、従業員の現場への搬送に支障が生じていたため、取り決めが厳格に守られない状態となっていました。Aら作業員も、マイカーで工事現場に行き来したことがあり、これについて上司から注意を受けたことは一度もありませんでした。

 また、Aは会社社屋2階の寮に住み込み、マイカーを社屋に隣接する会社の駐車場に駐車しており、会社の代表者等もそれを承知していました。
 
 裁判所は自賠法3条の運行供用者について、自動車の運行によって利益を得ている者であって、かつ、自動車の運行を事実上支配、管理することができ、社会通念上その運行が社会に害悪をもたらさないよう「監視、監督すべき立場にある者をいう」としました。また、具体的な支配、命令までの必要はなく、直接・間接に「指揮、監督できる地位にあれば足りる」としました。

 そして被告会社は、Aがマイカーを通勤手段として利用していたことを黙認し、これによって事実上利益を得ており、かつ、会社の駐車場も使用させていました。ですので、Aのマイカーの運行につき、直接または間接に指揮監督をなしうる地位にあったとして「自賠法3条の運行供用者に当たる」とし、被告会社の責任を認めました。
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●文/岡正俊(おか まさとし)
弁護士、杜若経営法律事務所代表。1999年司法試験合格、2001年弁護士登録(第一東京弁護士会)。専門は企業法務で、使用者側の労働事件を数多く取り扱っている。使用者側の労働事件を扱う弁護士団体・経営法曹会議会員。
https://www.labor-management.net/
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