女性86.6%、男性40.5%…何の数字だと思いますか?
行政による育児と仕事の両立支援は、年々整備が進んでいます。令和7年4月、育児・介護休業法の改正により、子の看護休暇は「子の看護等休暇」へと名称変更されました。対象となる子の年齢は小学3年生修了までに拡大され、取得理由についても病気や健康診断だけでなく、学級閉鎖や入園・入学式、卒園式などが追加されています。さらに、残業免除の対象も拡大され、これまでの「3歳未満の子を養育する労働者」から、「小学校就学前の子を養育する労働者」へと広がりました。
両立支援制度の拡充は望ましいことですが、運用には職場全体で協力して取り組んでいく必要があります。今回は、育休復帰後の部下への配慮と職場の公平性との間で悩む上司の事例について考えてみましょう。
■今回の事例
Aさん(20代女性)は、育児休業から復帰した社員です。復帰後は、育児・介護休業法に基づく短時間勤務制度を利用し、朝9時から16時まで勤務しています。復帰前、Aさんが籍を置く部署の所属長であるBさん(30代女性)はAさんと面談を行い、勤務時間や保育園のお迎え時間、急な呼び出しがあった場合の対応などを確認しました。Aさんは「できる範囲で頑張ります」と話し、職場もできるだけ支援しようという雰囲気でした。しかし、復帰してしばらくすると、Aさんは次のような発言をするようになりました。
「私は時短勤務なので、難しい仕事はできません」
「子供のことで急に休むこともあるので、私が担当すると迷惑をかけます」
「復帰したばかりなので、今は面倒な調整業務は避けたいです」
BさんはAさんの状況に配慮し、負担の大きい案件や社外との調整が多い仕事は他の社員に割り振るようにしました。ところが、その結果、Aさん以外の社員に負担が偏るようになりました。特にCさん(30代女性)は、Aさんが担当していた取引先対応やタイトな締切の資料作成を引き受けることが増え、残業が続いています。Cさんからは、次のような不満も出ています。
「時短勤務だから配慮が必要なのは分かります。でも、面倒な仕事を全部回されるのは納得できません」
「Aさんは簡単な仕事だけをしているように見えます」
Bさんは、Aさんへの配慮と周囲の社員への公平性の間で悩んでいます。どうしたら、いいのでしょうか?
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●文/山田真由子(やまだ まゆこ)
山田真由子社会保険労務士事務所代表。特定社会保険労務士、公認心理師、キャリアコンサルタント。26歳のときに3度目の受験で社会保険労務士に合格。さまざまな業種にわたり、約15年のOL 生活を経て、2006年12月に独立開業。現在、「誰もが輝く職場づくりをサポートする」をミッションとして活動している。経営者や総務部担当者などから受けた相談件数は延べ10,000件以上、セミナー登壇は1,500回以上を数える。著書に『外国人労働者の雇い方完全マニュアル』(C&R研究所)、『会社で泣き寝入りしないハラスメント防衛マニュアル部長、それってパワハラですよ』(徳間書店)、『すぐに使える!はじめて上司の対応ツール』(税務経理協会)。