3割が、入社1カ月未満で離職を意識
企業にとって早期離職は経営課題の1つです。採用した人が、入社して数カ月から数年以内に辞めてしまう影響は小さくありません。採用にかけたさまざまなコストは水の泡になり、再び採用を考えなければなりません。
なぜ、せっかく入った企業をすぐに辞めてしまうのでしょうか。
新卒で入った企業を3年未満で退職した18〜25歳を対象にした大手人材総合サービス会社のアンケート調査(2025年7月発表)によると、約3人に1人が入社1カ月未満で「辞めようかな」と思い、半年未満で離職しています。
また、3割強が「入社1週間未満」で入社前と後のイメージに違いを感じており、実際に3カ月未満で退職した人のうち、5割強が「1週間未満」でイメージのギャップを感じると回答しています。
早期離職した人ほど、入社直後から職場とのミスマッチを感じるケースが多いことがうかがえる結果となっています。早期離職の防止は、入社前から取り組む必要があると言えます。
・在籍期間
1年未満48.2%、半年未満30.8%
・初めて「辞めようかな」となんとなく思った時期
入社初日まで10.2%、1カ月未満32.9%
3カ月未満51.0%、1年未満82.2%
・「辞めようかな」となんとなく思った場面
1位「オフィス内の職場環境や雰囲気を知った時」23.3%
2位「オリエンテーション・研修」17.2%
3位「所属部署に着任時」10.8%、「残業や休日出勤などをしなければならなかった時」10.8%
・入社前と入社後のイメージに違いを感じた時期
「1週間未満」34.3%
「1カ月未満」56.6%
実際に3カ月未満で退職した層では、56.4%が「1週間未満」でイメージギャップを感じており、早期退職者ほど早い段階で
入社前後のギャップを実感
・退職理由
1位「上司や同僚との人間関係が悪かった」26.3%
2位「社風が合わなかった」26.1%
3位「会社の将来に不安を感じた」21.1%
※回答数:706人(新卒で入った会社を3年未満で離職した18〜25歳)、期間:2025年6月10〜16日
「思っていた会社と違う」を防ぐ
早期離職を防ぐために、入社前に行うことはリアリティショックの軽減です。リアリティショックとは、新人が入社前に思い描いていた職場や仕事などへの期待と、入社後の現実との間にギャップを感じ、「思っていた会社と違う」と失望することです。早期離職に至る最大のトリガーと言われています。
例えば「労働条件が入社前に聞いていたことと違う」というのも、リアリティショックです。企業で働いていく上で、労働条件は土台となるものです。納得していなければ、早期退職につながる可能性が高いでしょう。入社前に丁寧に説明し、理解できているかどうかを確認し、誤解があれば相手が分かるように説明しましょう。
リアリティショックを軽減する上で効果的なのが、RJP(Realistic Job Preview)です。直訳すると「現実的な仕事情報の事前開示」で、企業が求職者に仕事内容や自社について、よい面だけでなく悪い面も含めた、ありのままの情報を提供することです。入社後にギャップが生まれないようにしたり、企業への帰属意識を醸成したりすることが期待できます。
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●文/三宅航太
株式会社アイデム メディアソリューション事業本部 データリサーチチーム所属
大学卒業後、出版社に入社。書店営業部を経て、編集部に異動。書籍の企画・制作・進行・ライティングなど、編集業務全般に従事する。同社を退社後、フリーランス編集者、編集プロダクション勤務を経て、株式会社アイデム入社。同社がWebサイトで発信する人の「採用・定着・戦力化」に関するコンテンツの企画・編集業務を担う。働き方に関するニュースの考察や労働法の解説、取材、企業事例など、さまざまな記事コンテンツを作成している。